2008/03/14
展覧会レポート昭和のドラマ昔の土曜ワイド劇場懐かし邦画

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「仮面の花嫁・暗闇へのワルツ」(1981年) ウイリアム・アイリッシュ 『暗闇へのワルツ』

category - 土曜ワイド劇場
2008/ 03/ 14
                 
こちらも見たい作品のひとつ。



●「仮面の花嫁・暗闇へのワルツ」  1981年3月14日
原作: ウィリアム・アイリッシュ  『暗闇へのワルツ
脚本: 佐治乾
音楽: 新井英一
監督: 神代辰巳
制作: にっかつ
出演: 酒井和歌子、愛川欽也、森本レオ、宍戸錠、
ジョー山中、石橋蓮司、荒砂ゆき、江角英ほか


仮面の花嫁・暗闇へのワルツ


水産会社の専務永野(愛川欽也)が手紙交換で知り合った
ペルーの日系二世キャサリン(酒井和歌子)は
思いもかけなかった美女だった。

永野はキャサリンに夢中になり、やがて二人は結婚した。

だが、永野が手紙交換していた女性は
実はキャサリンの妹だった。

妹になりすましたキャサリンは、結婚直後に
永野の全財産を奪って行方をくらましてしまう。

永野はキャサリンを追ううちに
やがては男を手玉に取る女の生き方を許してしまう。
悪女の手練手管と、女にめり込んで転落する男の姿を描く
愛欲ミステリー。








ルイス・デュランドはニューオーリンズで
アラン・ジャーディンとコーヒー輸入会社を
共同経営している。


15年前に初恋の娘との結婚式当日に
相手が不慮の死を遂げてしまい
以来37歳の今日まで独身生活を送ってきた。


そんなルイスだったが手紙交換で
ジュリア・ラッセルと縁が出来て結婚することになった。
ジュリアがやってくる日、ルイスは彼女を迎えに行った。

しかし、船が着いて乗客が次々降りてくるが、ジュリアの姿はなかった。
途方に暮れた彼の肩に女の手が触れた。
手紙交換していたジュリアは年のいった美しくない女性だったが
そこにいたのは20を超えて間もない、小柄でとても美しい女だった。

驚いたルイスに女は”ジュリア・ラッセル”だと名乗った。
送った写真は叔母の物だったのだという。
自分の容姿ではなく、中身に惚れて欲しかったためだと打ち明けた。

安心したルイスは自分もコーヒー輸入会社の社員ではなく
経営者で金や地位を目当てにされたくなかったからだと話した。
そして、持っている資産が十万ドルであることも告白した。


ルイス・デュランドとジュリア・ラッセルは結婚した。
ジュリアが予想外に若い美人で、ルイスは人生の絶頂だった。
披露宴のパーティーで二人はワルツを踊った。

しかし、それは暗闇へのワルツだった---。



新婚生活に入ってもルイスはときめきを感じていた。
だが、ある日家へ帰るとジュリアがまるで男がするような
足の組み方をしていて行儀の悪さに驚いた。
それと手紙では紅茶好きだったはずなのに、コーヒーが好きなようだ。

女中のアーント・サラーからもジュリアが
連れてきた小鳥を全く世話してないことも言われ
その鳥も首が折られて最後は死んでしまった。


ジュリアが持ってきた錠のすぐ下に”J・D”のイニシャルがある
トランクがあったが、彼女はそれを1度も開けないままだった。
またジュリアの姉のバーサ・ラッセルから手紙が来ても
なかなか返事を書かなかった。


一緒に暮らすようになってから見えてきたジュリアの素行の悪さや不審な行動。
だが、ルイスはジュリアに恋をしてしまっていた。
銀行の支配人シムズに頼んでふたりの共同口座も作った。


そんなある日、ルイス宛にジュリアの姉のバーサから手紙が届いた。
先日ジュリアが書いた手紙を受け取ったが
筆跡が妹のものでないため、妹が無事かどうかを知りたいという内容だった。

サラーに聞くとジュリアは昼から出かけているという。
そばにはジュリアが作らせた服を持ってきた若い娘がいた。
慌てたルイスはJ・Dのトランクを開けた。
そこからはきれい好きで神経が細やかな持ち主を想像させる
整然さで洋服がつめられていた。
ルイスはトランクの中の服と、仕上がった服を比べてみた。
案の定サイズが違っていた。

さらに悪いことに、銀行から五万ドルが持ち出されていた。
ジュリアが閉店ギリギリに出金していったのだ。
その日以来彼女はルイスの元から姿を消した。


ルイスはニューオーリンズの警察にこれまでのいきさつを話した。
だが、どうにもならないことを悟った。


その後ルイスはバーサとあった。
バーサが言うには、やはり手紙交換をしていた時に
受け取った写真の女性こそが本当のジュリアだった。
彼女は五月八日に出発して以来行方が分からなくなっていた。
もう疑う余地はない、ジュリアは船の中で殺されたのだ。

ふたりはウォルター・ダウンズという探偵に
これまでの経緯を話して調査を依頼した。
ダウンズは話に興味を持ってくれてこの事件を引き受けてくれた。


ルイスの真摯な思いを裏切ったジュリアを許せなかった。
次第に殺意を抱くようになっていく。
ルイスはジュリアの居場所を突き止めようと
サラーに別れを告げると追跡の旅を始めた。


その最中、ハリー・ワースという退役軍人と知り合った。
彼はルイスに自分の恋人を紹介するという。
恋人に友達をひとり連れてこさせるので
四人で会おうと誘われた。


夜、待ち合わせの場所でルイスが見たものは
ワースの恋人となったジュリアだった。
ルイスはそれがわかると、彼らがいた部屋にははいらず
うまいことを言って係員からジュリアの部屋を聞き出すと
一旦部屋に引き返した。


ニューオーリンズから持ってきたピストルを手にすると
ジュリアの部屋に忍び込んで帰ってくるのを待った。


ジュリアはワースと一緒に部屋に戻ってきた。
ルイスが待ち合わせ場所に行かなかったことをグチっている。
そして、ワースが部屋を出ていった。

ルイスは机の上に「ビリーさま」と書かれた手紙を見つけた。
ジュリアの情夫だろうか。

そうこうしているうちに、ついにジュリアはルイスの姿を見つけた。
悪事を働きなれているせいか、ジュリアは開き直った態度だった。
ルイスがピストルを持っていることに気がついても
どうぞ、撃ってちょうだいとルイスに近づいてくる。


彼は結局殺すことは出来なかった。
ニューオーリンズへ連れ戻して警察へ突き出すと言うと
ジュリアは嫌がって、本当のジュリアがどうなったのかを話した。


ジュリアは自分の名前がボニーだといい
ジュリアとは船の甲板で知り合ったという。
彼女は自分のことを細かくボニーに話してきた。
ジュリアはルイスの事も会う前に調べ上げていて
十万ドルの財産を持つ男だと知っていたという。


ボニーは船で知り合った男にもそのことを話した。
男はジュリアを部屋から連れ出せと言った。
ボニーは多分男がその間に彼女の部屋に忍び込んだのではないかという。
男がいうには、その後ジュリアは船から落ちた。
死体は浮かび上がらないだろうといい
男がボニーにジュリアになりすませと命令されたのだという。


ボニーは結婚後、男に一度会ったが
もうやる気がなくなったから計画から降りることを伝えた。
「結婚した相手が好きになっちゃった」と男に行ったのだと言う。
そして、ボニーは男から逃れるために
共同口座から金を引き出して行方をくらましたのだと言う。
その後男は賭博場で殺されたそうだ。


安全になったボニーは南部に戻ってきて、2,3週間前に
ワース大佐と出会ったというわけだった。


普通なら殺意を抱くほど深い愛情が憎悪へ変化し
警察に突き出しすはずが、ルイスは結局は
ボニーのとりこになってしまっていたのだ。

ワース大佐が自分の恋人と思っていた女が
実はルイスの妻だったことを明かすと
その後は元の通り夫婦に戻ってしまう。
大佐もボニーの仕打ちに怒ることもなく
あっさりと二人の前から姿を消す。


それからはつかの間の新婚生活の続きが始まる。
ホテル暮らしをやめて、家を一軒借りた。
だが、料理下手で妻には向かないボニーは
洋服をねだったり、女中をやとったりと
ボニーの意のままにルイスは動いてやる。




しかし、ここでとんでもない邪魔がはいる。
バーサと一緒に調査を依頼した
探偵のダウンズだった。
ルイスは調査を打ち切って欲しいと言うが
依頼人はルイスだけでなくバースとの二人で
もう調査費度外視でこの仕事をやるのだという。


ダウンズはジュリア・ラッセルの死体が発見され
バーサが身元を確認したのだと言う。
ボニーがジュリアになりすましていたことも知っていて
一歩も引かない構えを見せた。


ルイスは持っていたピストルで自宅に来たダウンズを撃ち殺してしまい
カーペットで死体をくるんだ。
部屋に入ってきたボニーに人を殺してしまったことを話すと
ボニーは手際よく、今後どうすればいいか指示していく。


ボニーはシャベルを買いに行くと、
ふたりは死体を地下室に持っていき、穴を掘って埋めた。


殺人犯となったルイスはボニーと共に逃避行をする。
ボニーは家を引っ越すと伝えさっそく
不動産屋が次の間借り人を案内しにつれてきた。
ヒヤヒヤしたが、死体は見つからず
ボニーが強気で払った過払い分の家賃を戻してもらい
ふたりはすぐに死体がある家から出ていった。


その後は、金遣いがあらいボニーに言われるまま
生活をしてきたことで手持ちの金が尽きてしまい
親友で会社の共同経営者アランのもとへ行って
会社売却で自分の持ち分を売りなんとか金を工面する生活。


金の心配が出てきてからは、ふたりは喧嘩をするようにもなった。

裏街道の生活に慣れっこなボニーは
賭博でもうけようといかさまをやって
店から叩き出されることもあった。



荒んでいく生活の中で
ルイスは古い生命保険の話しをした。

それはふたりがセントルイス外に住んでいた頃契約したもので
掛け金が払えないまま放置しているが、
未払いの五百ドル位を払ったら契約が復活するはず。
ルイスは契約書の場所を話し、金をニューオーリンズの保険会社に
送ればいいと説明してやった。
しかし、今のルイスにはそんな大金を払えるはずもなかった。


ボニーは保険についてはその後二度と尋ねてこなかったが
証書はなくなっていた。


その後、家事があんなに苦手だったボニーが
喜々としてやりだした。
ある日台所にネズミが出たといって騒ぎ出した。
夜にもかかわらずボニーはネズミ退治の薬を買いに行くといい
ルイスが代わりに買ってきてやることにした。
ボニーは薬局で自分たちの名前や住所を言わないでくれと念を押した。


ネズミをあれほど怖がっていたボニーだったが
その後も熱心に家事をやっていた。


ルイスが体に異常を感じたのはその次の日の晩だった---。




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原作は「暗くなるまでこの恋を」や「ポワゾン」で映画化されたことでも
知られているウィリアム・アイリッシュの「暗闇へのワルツ」です。


若い時に結婚式当日相手が死んだことで
30も半ばを過ぎるまで独身だった主人公が
ようやっと手に入れた若くて美しい花嫁。


30代後半といっても、会社も経営していて
それなりに財産も持っていて
なんら引け目を感じることがないのに
なぜかどうしようもない女にひっかかり
預金を持ち逃げされ、居所までつきとめたのに
女を許してしまうだけでなく
彼女を守るために殺人まで犯してしまいます。


人が良い主人公は一旦は愛情が憎しみに代わり
殺意をもつのですが、再びあやつられるがままに
どんどん悪の世界へ深く入り込んで元へは戻れなくなってしまう。


はじめは妻に理想的な妻像を持っていたのに
最後の方はそんなありきたりの妻ではなく
ありのままのボニー、悪女のボニーを愛してしまうのだった。



アイリッシュらしい暗闇へ入り込んでしまう男の不幸と、
恋は盲目という第三者からはもどかしく思える心理描写は見事です。


そして、ラストの意外性。
決して暗さだけでなく、そこに僅かな救いがあるように見える結末。

ルイスがボニーに対する愛情が大き過ぎた分
最後に起こった心境の変化がより際立って見えました。




ドラマ化でも人がいい40近くの主人公を
愛川欽也がどう演じていたのか興味があります。


監督は神代辰巳ですが、この前年にも
「悪女の仮面」でメガホンをとっていて
酒井和歌子が悪女を演じていました。


酒井和歌子はちょうどこの1年後にも
ハドリー・チェイス原作のドラマ化で
同じように悪女をやっています。




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