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2008-06-16 (Mon)

「過去を消す女・私の結婚のために死んでください」 (1984年)  小池真理子原作のドラマ化

社長夫人の座を目前にした女が過去を知る人物の出現に怯えて殺人を犯していく。

一介のOLから栄光を掴んだ女の野望と挫折を描くサスペンス。



●「過去を消す女・私の結婚のために死んで下さい」  1984年6月16日
原作: 小池真理子 
脚本: 鴨井達比古
音楽: 田中公平
監督: 永野靖忠
制作: 松竹芸能
出演: 酒井和歌子、田村亮、山口果林、
山内明、北原義郎、緋田景子ほか


留美(酒井和歌子)は、貿易会社掛川商事の社長掛川圭介(山内明)との
結婚が正式に決まり、清里の高原ホテルに旅行に行った。
掛川にとっては三度目の結婚で、二度目の妻は男を作って逃げてしまい
以来、掛川は女性不信で年が離れている留美との結婚に期するものがあった。


留美の方もこれまで、女の幸せを得るために、
仕事で必要なスキルを磨いたり
時には美しさを武器にしてこの日のために生きてきた。
そして、ついに念願叶い、社長秘書の職を辞めることが出来た。


オフシーズンで人が少なくてくつろぐことが出来る
清里高原は一面雪で覆われていた。
二人きりでゆっくりしたいと、久しぶりに掛川がハンドルを握り
留美と高原までやって来た。


過去を消す女・私の結婚のために死んでください



ホテルのレストランでふたりが夕食をとっていると
留美は突き刺すような視線を痛いほど感じた。


それは向こうの席にいた、倉本真二(田村亮)のものだった。
留美は真二の顔を見ると凍り付いた。
真二は妻の誠子(山口果林)と二人でここへ来ていた。



留美は以前、倉本親子が経営していたKB食品という会社で
社長秘書をしていた。
もとは息子の真二の恋人だったのだが、それを知らなかった
父とも関係を持ってしまい、情事の最中に真二が部屋に入ってきて
二人の元から逃げ出したという忌まわしい過去を持っていた。
掛川に父、息子ともに関係を持っていた女だということは
絶対に知られたくなかった。
留美は気分が悪いといい、食事を途中にすると部屋に引き上げた。

留美はベッドで休みながら、明日の早朝にホテルを発とうと決めた。
だが、翌日は大雪で道路は閉鎖されていて、東京へ帰るのを
断念せざるを得なかった。
せめて、掛川に真二が近づかないようにと朝食もルームサービスで済ませた。

ボーイがそれを部屋に運ぼうとしたとき、レストランにいた真二が呼び止め
留美が掛川夫人となったことを知った。
掛川は留美に果物を食べさせようと部屋から出ていった。
そこへ、倉本夫妻が掛川を呼び止め、真二はオセロゲームに誘う。


それを聞いた留美は嫌がったが、掛川は真二のところへ行ってしまった。
心配になった留美は仕方なく、部屋から出て掛川たちのところへ行く。
誠子は他の客と離れた席で話していて、掛川と真二が二人でオセロをしていた。
留美がその横へ行くと、真二はオセロゲームは騙し合いで
人生にもあることですよねとつぶやくと
昔の恋人で悪魔のような女と付き合ったことがあるという話をした。
留美にはそれが自分のことだとピンと来た。
真二が買って勝負がついたので、掛川は真二の相手を留美に譲って
誠子たちのテーブルへ行った。


過去を消す女・私の結婚のために死んでください


二人きりになると、真二はいまだに留美のことを恨んでいて
掛川にもこのことを話しそうな勢いだった。
慌てた留美は真二と二人きりで話したいと、
その夜会う約束をした。


留美は部屋をうまく抜け出すと約束の場所へ行った。
すでに真二は雪まみれの車の中で待機していて
留美は真二も父も二人とも愛していて、
真二の父に済まないことをしたと思っていると話した。


だが、留美が親子の前から姿を消した後
真二の父は真二とも関係があり両てんびんにかけられていたことを知り
そのショックから首吊り自殺をしてしまい、小さな会社は倒産した。
真二の父は、妻と離婚した後に留美と結婚するつもりだったのだ。
父が死ぬと母親もその後を追うように心臓発作で亡くなった。
倉本家の財産はほとんど消えていて、自暴自棄になっていた
真二を助けてくれたのが誠子だった。

留美は父親が死んだことは知らなくて、懸命に謝るのだが
真二は許さず同じつらい経験をさせたくないと掛川に全てを話すといい
車から飛び出した。

留美も慌てて真二を引き留めようとするが、決心は堅く足を止めない。
留美が真二の足に泣いて縋ったとき、足元の悪さから転んでしまい
彼は地面の枝で目をついて血を流していて目が見えなくなっていた。


大雪の中、目が見えなくなった真二は留美を頼るより他なかった。
留美は医者に連れていくといい崖の方に誘導すると
そこから突き落として殺してしまう。


翌朝、夫の姿が見えなくなった誠子はホテルの従業員に
いどころを捜してもらうように頼んでいた。
ホテル内のどこを捜しても姿は見えず、外へ行ったときに
雪の中に赤い血を見つけ、真二の死体も見つかった。

山梨県警の万年刑事(江幡高志)は、真二が深夜非常階段を下りて
車へ忘れ物を取りに行ったが、足を滑らせ転んでしまい
目を傷めてしまい見えなくなった真二は誤って転落した
事故死であるという見解だった。


一か月後、留美は予定通り掛川と結婚をした。
屋敷には家政婦がいて家事を一切する必要がなく
行きたいときに旅行も自由に行けて
自分の美しさと若さを保つことだけど考えていればいいという
理想的な生活を手に入れた。



一方、誠子はまだ真二の事が忘れられず
食事も用意して写真に話しかける生活を送っていた。
彼女は真二の事故死に疑問を持っていた。
真二の死体が発見された日、車のシートから
女性のものと思われる髪の毛を見つけていた。
真二があんな時間に雪の中車へ行ったのも
誰かと会うためだったんじゃないかと思っていた。

誠子が真二のアルバムを眺めていると
自分と出会う前の集合写真を見つけた。
真二の隣に髪型は違うが留美そっくりな女がいた。
誠子は就職の相談にのって欲しいという理由で
掛川の会社に電話した。


過去を消す女・私の結婚のために死んでください


掛川は真二の葬式にも来てくれていて、すぐに誠子の家へ来てくれた。
真二は誠子の取引先の社長の息子で以前から憧れをもっていたが
会社が倒産してしまいやけになっていて、それだけでなく
人間が信じられなくなるくらいのひどい裏切りを受けたことを掛川に話した。

その後にあのアルバムを掛川に見せた。
やはり掛川も留美似の女に気が付いた。

掛川が帰宅すると留美に誠子の家へ行ったことを話した。
留美は誠子が掛川に接触していることを疎ましく思った。


掛川が社長室に戻ると秘書から誠子が来ていたことを知らされた。
連絡して掛川はうちの会社で働くといいとすすめた。
そして、留美のバースデーパーティがあるからと誠子を招待した。


留美はそのことを聞き不安と不快感が高まったが
掛川には誠子を招待することを大賛成と喜ぶしかなかった。


当日、花束を抱えた誠子が掛川邸にやって来た。
迎えた留美は誠子を周りの客たちに紹介する。
招待客は錚々たる顔ぶれで、一介の女誠子が来るべき場所ではなかった。
留美は彼らに紹介しながらも、誠子が身分違いに気づいて居づらくなり
二度と自分たちに近づかないようになることを期待していた。


過去を消す女・私の結婚のために死んでください


案の定、他の客たちとの会話に参加出来なかった誠子は
ひとりでポツンと立っていた。
留美はさりげなく様子を伺いに行く。
この日は掛川も外せない仕事がありパーティーにはいなかった。
留美が去ると、誠子は部屋を出た。
そこへ家政婦が化粧室を案内するが、いなくなると階段を上って
プライベートなスペースへ行った。


誠子は留美の衣装部屋に行くと、クローゼットを開けた。
そこには探していた、昔の写真に写っていた留美似の女が
身につけていた赤いコートがありそれを盗み出す。
留美は誠子の姿が見えないことに気が付くと
家政婦はとっくに帰ったと言った。


翌日、誠子は留美に電話をした。
倉本の会社KB食品に小林留美という女が秘書をしていて
伊豆に社員旅行へ行ったときに留美が写った写真があるといい
その時来ていたコートを留美のクローゼットから持ち帰ったことを話す。
留美はそれは自分じゃないというと、誠子は真二が死んだときに
車の中にもうひとり誰かがいた証拠ももっているといい
留美と直接話がしたいと言ってきた。



過去を消す女





もう彼女の口をふさぐしかないと考えた留美は
誠子に掛川とあなたに何もかも打ち明けた後に
警察に自首すると電話をして
クルーザーに呼び出した。
掛川の姿が見えないことに誠子は疑問をもったが
誘導されるままに船に乗るとすぐに走り出した。

二人きりになると誠子は真二が死んだ真相を知りたいと迫ってくる。
殺されるのを覚悟できた誠子の気迫と握っている証拠に恐れ、
ついに留美は全てを明かす。
誠子は写真とシートにあった髪の毛は自宅の仏壇にしまってあり
マンションのかぎはバッグにあると言った。



過去を消す女・私の結婚のために死んでください



留美は灯油をまくと火をつけて誠子は火だるまになり
そのまま海に落ちた。
この辺りに死体が沈むとしばらく上がらない。
一旦、船上の炎を消火し1キロ程海岸へ舟を進ませ
灯油を撒くと炎上したクルーザーは爆発した。
ここならすぐに岸に流れ着く。


留美は前に掛川から聞いた話しの通りに
行動し、大きな賭けに出た。




病室で目を覚ました留美は、ボートの燃料が切れてしまい
タンクをひっくり返してしたところ、誠子がたばこを吸おうとして
その火が落ちて事故に遭ったと説明した。



過去を消す女・私の結婚のために死んでください


留美は退院すると誠子のマンションへ行った。
仏壇にあった写真と髪の毛と掛けてあった例のコートを手に取ると
マンションを後にした。



爆発事故で行方がわからなくなっていた誠子の死体が上がり
留美と掛川が身元確認に来た。
そこに神奈川県警の刑事と一緒に万年も来ていた。
真二、誠子と続けて亡くなり、その現場に留美が居合わせたことで
留美に疑いの目を向けているようだった。
万年は留美にちょっと話がしたいといい連れ出した。


過去を消す女・私の結婚のために死んでください


案の定万年はふたつの事件について聞いてきた。
留美はしらばっくれたが、万年は留美が退院後
誠子の家へ行ったことも知っていて何をしに行ったのかと聞いてきた。
留美が答えにつまっていたところ、刑事が万年を呼びに来て席を外した。


万年を呼び出したのは掛川が顧問弁護士の村田と来たからだった。
掛川は万年とふたりだけで話がしたいと言った。
それが終わると、万年は留美を返した。


留美は家に帰ると万年から取り調べたグチを掛川にぶつけるが
村田に調べさせておおよその見当がついていた掛川は
留美に結婚前のように二人で遊びに行こうと連れ出す。
何も知らない留美は大喜びし
二人は以前のようにレストランで美味しいものを食べたり
ダンスをしたり、愛し合ったりして最後の楽しい時間を過ごす。



翌日、家政婦が居なくなっていた。
掛川はもうこの家には誰もいないんだと言い、彼のそばにはスーツケースがあった。



掛川は1年前、留美と結婚するときに村田に
留美の身辺調査をさせていた。
その時点で、掛川の会社に提出していた履歴書の内容と
かなり相違があることがわかっていたが
その時にはもう留美のことを愛してしまっていて
今の留美がいてくれるだけで、過去には目をつむろうと決心していた。

過去を消す女・私の結婚のために死んでください


留美はそんなこと嘘よ、過去を知った男はみんな逃げていったと反論するが
掛川は過去に留美が何人の男と関係があったとしても
どういう目的で自分と結婚しようとしたとしても
それを理由に留美を捨てるような半端な男じゃないという。


留美が誠子のタバコの火によって、船が爆発したと留美が言ったとき
誠子の部屋には灰皿がなくたばこを吸わないことを知っていて
事故が仕組まれたものではないかと見抜いていたのだ。

しかも、誠子は死ぬ前に写真と髪の毛を入れた手紙を
警察に送っていると話した。


留美が自分が殺人犯とわかってもまだ愛してくれているのか聞くと
今でも愛しているという。
そして自分は  に行くつもりだが、いつまでも留美が戻ってくるのを待っていると言ってくれた。

ひとりになった留美は110番へ電話し、自首をする。



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酒井和歌子で悪女物は多いが、今回は救いが感じられるフィナーレでした。
過去の男たちに逃げられたという経験による恐れから
真二の口をふさごうと、転んで目を突いたときに殺意を抱き殺害してしまったが
そもそもが、掛川にこのことが知れたとしても婚約破棄とはならなかった。


勝気なようでいて掛川も自分も信じられなかったがために
犯罪に手を染めてしまうという最悪なパターン。

誠子の死も、真二が死んでから生きているような感じがしなくて
留美のところへ行ったのも、殺されに行っているような感じがしました。




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