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2008/07/01
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横溝正史シリーズⅡ 「不死蝶」 (1978年)

category - 昭和のテレビドラマ
2008/ 07/ 01
                 
「横溝正史シリーズⅡ」の第4作目。



■ 横溝正史シリーズⅡ 「不死蝶」
放送日: 1978年7月1日~7月15日 (全3話)
原作: 横溝正史  『不死蝶
脚本: 野上龍雄、米田いずみ
音楽: 真鍋理一郎
主題歌: 「あざみの如く棘あれば」 (作詞:阿久悠、作曲、唄:茶木みやこ)
監督: 森一生
出演: 古谷一行、竹下景子、江木俊夫、栗田ひろみ、山本紀彦、小沢栄太郎、浜田寅彦、
松山照夫、山本昌平、松村康世、ジョン・パーム、新田章、長門勇、岩崎加根子、植木等ほか
制作: 毎日放送、大映京都、映像京都


横溝正史シリーズⅡ 「不死蝶」



 
昭和三十年、金田一耕助(古谷一行)のところへ日和警部(長門勇)が人探しのために
信州の射水へ行って欲しいと頼み込みにやってきた。
寒いところは苦手と渋る耕助だが「射水へ来るな。生命が惜しければ射水の町に近寄るな」という
警告文が届き好奇心を刺激された耕助は大乗り気でその挑戦を受けて立つ。



射水駅で耕助が来ると小耳に挟んだ信州タイムスの記者・田代幸彦(山本紀彦)から
ブラジルの珈琲王・アルフォンゾ・ゴンザレスの養女となり「現代のシンデレラ」と言われている
鮎川マリ(竹下景子)が母の君江、家庭教師・河野朝子(松村康世)、
召使のカンポ(ジョン・パーム)を連れてこの町に滞在していることを知らされる。



耕助はその足で今回の依頼主である矢部家を訪ねた。
矢部家には当主の杢衛(小沢栄太郎)、長男の慎一郎(山本昌平)と妻・峯子(岩崎加根子)、
慎一郎と峯子の娘・都(栗田ひろみ)らが住んでいる。
峯子の兄・宮田文蔵(植木等)が矢部家の番頭をしていた。



横溝正史シリーズⅡ 「不死蝶」



耕助は杢衛と宮田から二十三年前の二月七日、杢衛の次男・英二が鍾乳洞で殺され
その件について調べて欲しいと説明を受ける。



射水の町はかつて矢部家と玉造家が拓いたものだが、四代前の諍いが元で犬猿の仲になった。
慎一郎が峯子といういい名づけがありながら敵対する玉造の娘・朋子と恋に落ち
周囲の反対を押しのけ駆け落ちしようとした。


これを杢衛や英二らが力づくで阻止したものの、怒りが収まらない英二は
朋子のところへ殴りにいってくると出かけたきり戻ってこない。


横溝正史シリーズⅡ 「不死蝶」



その後、英二が鍾乳洞の中で、朋子の着物の袖を握りしめたまま死んでいるのが見つかり
行方不明だった朋子が「蝶が死んでも翌年また蘇るように私もきっと帰ってくる」という
遺書のようなものを残して鍾乳洞にある井戸から身投げしたものと見られた。


底なし井戸のため死体は上がらなかったところへ、鍾乳洞から教会の裏手に続く抜け道が見つかり
神父のパウルがスペインへ帰国したことから彼が英二を殺した朋子を連れて帰ったと杢衛は睨んでいた。


そして、一か月前に杢衛は射水に到着した君江が英二の墓に供花するのを目撃した。
杢衛はマリが朋子に生き写しであることから君江の正体が朋子だと確信を深めている。



横溝正史シリーズⅡ 「不死蝶」



都の話では杢衛もまた玉造の娘に恋をした過去があるらしいと耕助は知る。

一方、マリは玉造康雄(江木俊夫)の訪問を受けた。


康雄は二十年前の殺人事件により没落した玉造家の唯一の生き残りだった。
マリが滞在する別荘ももともとは玉造家の所有だったといい、明日のパーティーを中止するよう要求した。
明日は英二が鍾乳洞で殺された日であるが、マリは康雄が玉造朋子の甥だと知ると
お願いしたいことがあると相談を持ち掛ける。


横溝正史シリーズⅡ 「不死蝶」



結局、マリはパーティー開催を決めその夜パーティー出席の返事がない矢部家に行った。
杢衛は耕助を同伴することを条件に参加をすると返事をする。



翌朝、休暇で射水に来ているという日和の電話を受けた耕助は屋敷の庭で
杢衛の遠い親戚だという顔に傷がある古林徹三(松山照夫)の姿を見かけて驚く。
古林は昨日、教会から出てくる君江を見て「ともこ」と呼びかけた男だった。



その夜、耕助は杢衛、都とともにマリのパーティーへ出かけた。
慎一郎は家に引きこもっていたままで峯子が杢衛らを見送り終わると
古林が嫌がる峯子に付きまとってきた。
そこへ、宮田が帰って来たため二人は何事もなかったように取り繕う。


横溝正史シリーズⅡ 「不死蝶」



パーティー会場では町の有力者たちが招待され、休暇で来ている日和も参加した。
しかし、杢衛は肝心の君江が具合が悪いことを理由に姿を見せないことから
マリに挨拶だけでもさせろと連れてくるように命令する。


ところが、部屋にいるはずの君江が鍾乳洞に入っていくのを都が見たと知らせに来て
入口から君江の十字架のネックレスが見つかる。
土地勘のないマリが鍾乳洞に詳しい都と連れ戻しに行こうとしたため
杢衛や耕助、田代までもが名乗りをあげみんなで探しにいくことになる。


横溝正史シリーズⅡ 「不死蝶」



耕助が男の足跡を見つけると都はさっきまで一緒にいた康雄のものだろうと見当をつける。
すると暗闇に人影が見え日和、署長(浜田寅彦)、田代が逃げる人影を追いかけ
マリはカンポを連れてどこかへ行ってしまい耕助、杢衛と都の三人がその場に取り残された。


杢衛たちがこの先にある英二が殺された井戸の方へ歩を進めていくと都が「おばさま!」といい
前方に君江らしい黒服の女の姿が見え杢衛は「朋子」と叫んで走り出していく。
耕助が後を追おうとすると都は近道を通ろうと別ルートへと誘導する。


そして、耕助がマリとカンポと合流し杢衛を見つけたときにはすでに死体となっていて
古林が逃げようとしていたといい教会の神父に取り押さえられていた。
底なし井戸の手前の岩から君江の黒いショールが落ちているのが発見される。


横溝正史シリーズⅡ 「不死蝶」



日和と署長の調べで古林は英二の死体の発見者であり二月七日までに
射水に来いと葉書で呼び出され杢衛のところを訪ねていたとわかった。
だが、葉書を出したのは杢衛ではなくそんな中で、死んだはずの朋子を見かけたことで
好奇心からあの鍾乳洞へ行ってみたのだという。


耕助は康雄が君江の姿を見て鍾乳洞へ行った時に足を挫いていたことを知った。
その時、自動車修理工の康雄のところへ見舞いに来ていたマリを見て
接点がなさそうな二人に何か繋がりがあるのを感じた。



耕助は日和と一緒に神父のところへ事情を聴きに行った折、土地勘がないと言っていたマリが
鍾乳洞に近道があるのを知っていたとわかり嘘をついていたことに疑問を抱いた。
神父はさらに古林が隠れる場所は沢山あるのにわざと見つかるようにしていたように思えたという。



横溝正史シリーズⅡ 「不死蝶」


二十三年の英二殺しに端を発しているものと考えた耕助はそこから調べることにした。


宮田の話から宮田兄妹の父に恩を感じていた杢衛が峯子を慎一郎の嫁に迎えたものの
峯子は慎一郎が一向に愛してくれていないことを悩んでいることがわかった。



神父が教会の鐘楼で君江の姿を見つけ登っていくと彼女は別階段から降りて
鍾乳洞の中にはいっているのを見たと言い日和たちが鍾乳洞を調べることになった。
君江は死んでいると考えていた耕助はその知らせを受けて頭が混乱する。


そんな中、耕助は英二の死体の発見者である古林が殺される前に鍾乳洞の前で別れたと聞かされていたが
英二が鍾乳洞に入っていくのを部屋の窓から見ていた慎一郎はそれは嘘だという。
慎一郎の話では英二は古林と立ち話などしておらずずっと一人だったと断言した。
英二は鍾乳石で殺されたがそれは男の力でないと無理な犯行だ。


横溝正史シリーズⅡ 「不死蝶」



だが、当時男たちには全員アリバイがあり慎一郎の証言で古林にアリバイがないことが明らかになった。
耕助は鍾乳洞で君江の捜索をしている日和に古林を探して欲しいと伝えに行くと
古林は鍾乳石で刺されて殺されていて鍾乳洞で君江を見たという宮田が姿を現す。



警察は宮田を容疑者とみて連行するが耕助は神父の元を訪ねて
君江とマリが一緒にいたところを見たことがないという証言からマリの一人二役を確信し
神父から預かった君江の忘れ物の指紋の照会を日和に依頼。
そして、康雄が全てを知っていてマリに協力していると悟った。


横溝正史シリーズⅡ 「不死蝶」



耕助はその証拠を持ってマリのところへ向かった。


二十三年前、玉造朋子はあの鍾乳洞から抜け道を通りパウル神父に助けられて
ブラジルへ渡り鮎川君江と名前も変えて慎一郎の子供・マリを出産した。
その後、朋子は必死で働きその功績を認められてゴンザレスの家事取締役となると
ゴンザレスの求婚を断り彼はマリを養女にした。


朋子は英二は殺していないと慎一郎に伝えようと日本に帰ろうとしていたが死亡。
マリは英二の命日に当時の関係者全員を集めれば何か手がかりを掴めると思い
古林に葉書を送って射水へ呼び寄せた。
古林が射水で見た君江を「ともこ」と言ったのは、母そっくりのマリが成りすましていたからだ。


横溝正史シリーズⅡ 「不死蝶」



そして、朋子の甥の康雄と出会い自分の正体を明かして協力を求めた。


パーティーの日、朝子が君江になりすまして康雄と都にわざと姿を見せて朝子は鍾乳洞に
黒のショールを残して生きていない君江が鍾乳洞に入ったと装った。
しかし、これにより祖父である杢衛が殺されてしまいマリは心を痛めた。


耕助はもう真犯人が誰だかわかっていて教えて欲しいというマリにそれを証明するために
力を貸して欲しいと頼んだ。
さらに、耕助は杢衛が死に依頼主となっていた慎一郎らにもこのことを伝える。




横溝正史シリーズⅡ 「不死蝶」



そして、朝子にわざと自分の不在中にマリから耕助に宛てた手紙だといい峯子に渡させた。
そこには警察から釈放されたばかりの宮田もいる。


手紙にはマリが君江との一人二役を耕助に見破られたこと、真犯人を探すために鍾乳洞を歩き回り
ついに動かぬ証拠を手に入れたので今夜十二時に鍾乳洞で会いたいと書かれていた。


耕助は日和らの協力を得て鍾乳洞の出入り口を全て封鎖し犯人がマリを襲うのを待ち構えた。
思惑通り犯人はマリを殺そうと接近したが耕助らが張り込んでいるとわかると逃げていった。
袋のネズミとなった犯人を捜しまわると、耕助が犯人とあたりを付けていた峯子が殺されている。


すぐに、宮田が見つかり矢部家の人間を殺して財産を乗っ取ろうとしていたが
峯子に邪魔され殺したと白状するとそのまま底なし井戸に身を投げて自殺した。


横溝正史シリーズⅡ 「不死蝶」



マリの中ではまだ君江こと玉造朋子が殺人者という汚名を着せられたままで事件は終わっていない。
耕助はどんな辛いことでも耐えられるかと問い自分の見立てをマリに語る。



二十三年前、慎一郎の駆け落ち騒ぎを知った英二は鍾乳洞にいる朋子のところへ殴り込みに行った。
その時のもみ合いで朋子は着物の片袖を英二に切り裂かれてしまう。
朋子が命からがら英二から逃げ出していくと、英二は峯子と古林が情交している現場に遭遇。


当時、すでに慎一郎と婚約していた峯子の裏切りを知った英二を古林が殺害。
古林はその後すぐに大陸に渡りこの間に十三年ぶりに射水へ戻り
度々峯子を脅していて耕助もその様子を目撃していた。


横溝正史シリーズⅡ 「不死蝶」




古林は大陸より引き上げていてから生活に困っていて杢衛から嫌われていたことから
峯子に生活費の面倒をみてもらおうと強請った。
パーティーの夜、杢衛たちがいないとみるや古林は鍾乳洞で峯子を襲おうとし
君江を追ってやってきた杢衛がその現場を目撃。
古林はとっさにそばにあった鍾乳石で杢衛を殺して君江の犯行に偽装した。


その後、警察が君江を探し出そうと鍾乳洞で捜索活動をしていると
峯子が古林を殺すところを偶然宮田が見てしまう。
耕助が仕掛けた罠だとも知らず手紙を盗み読んだ峯子はマリを殺そうと鍾乳洞へ行き
失敗すると同じく手紙を読んでいた宮田が峯子を殺してその罪を被って自殺する。


宮田は都を実の娘のようにかわいがっており、殺人犯の娘にはしたくなかった。


横溝正史シリーズⅡ 「不死蝶」



耕助は事件の解明を終えると慎一郎を部屋に招き入れてマリと親子の対面をさせた。
都を気遣う耕助の計らいで都は康雄によって東京へ到着していた。
マリはいとこの康雄をブラジルに連れていきたいというと、慎一郎は都も一緒にお願いしたいと申し出た。


国外に出ることで都は母親が殺人犯だと知らず康雄たちと幸せに暮らせるからだ。
マリは喜んでそれを受け入れると、慎一郎は「初めて矢部と玉造の血が結ばれます」と安心した。


マリが実の父である慎一郎と抱擁を交わしていると窓の外には朋子の生まれ変わりのような
蝶がひらひらと舞っていた。






不死蝶 (角川文庫)



シリーズの中でも印象が薄かった作品の「不死蝶」ですがブログに書くことによって記憶に刻まれました。



射水に着いた金田一はその晩、依頼主の杢衛と宮田文蔵から矢部家と玉造家が対立していると聞かされ
杢衛の孫娘の都からは杢衛も玉造の娘と恋に落ちたと明かされるがそれだけにとどまっていて
それが噂なのか本当なのかもわからず以降はその恋について触れられることもない。



小沢栄太郎、岩崎加根子が前年になりますがこのシリーズ2回目の登場ですね。
そして、小沢栄太郎は今回も被害者のひとりで、二十年前の殺人事件を回想する時の
表情と声色はすごくいい。


私の大好きな植木等さんが妹が犯人だと知って殺さざるを得ない状況におかれるのがかわいそう。


植木さんも小沢さんも好きなのでそんな視点で見たら結構楽しめました。





不死蝶 [DVD]










************ 横溝正史シリーズ一覧 ************


1. 「犬神家の一族」

2. 「本陣殺人事件」

3. 「三つ首塔」

4. 「悪魔が来りて笛を吹く」

5. 「獄門島」

6. 「悪魔の手毬唄」



************ 横溝正史シリーズⅡ一覧 ************


1. 「八つ墓村」

2. 「真珠郎」

3. 「仮面舞踏会」

4. 「不死蝶」

5. 「夜歩く」

6. 「女王蜂」

7. 「黒猫亭事件」

8. 「仮面劇場」

9. 「迷路荘の惨劇」





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