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2008/10/10
展覧会レポート昭和のドラマ昔の土曜ワイド劇場懐かし邦画

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「松本清張の三峡の章・みちのく偽装心中」  (1981年)

category - 土曜ワイド劇場
2008/ 10/ 10
                 
「白い闇」の翌年に放送された、「三峡の章」です。
どちらも地味ながら好きな作品。




●「松本清張の三峡の章・みちのく偽装心中」  1981年10月10日
原作: 松本清張 『山峡の章』  
脚本: 吉田剛
音楽: 菅野光亮
監督: 井上芳夫
制作: 松竹
出演: 音無美紀子、小野寺昭、風吹ジュン、目黒祐樹、
金沢碧、三条美紀、戸浦六宏、白石奈緒美ほか


三峡の章・みちのく偽装心中



朝川昌子(音無美紀子)は一人旅に出たときに、建設省に勤める
堀沢英夫(目黒祐樹)とジャーナリストの吉木恒平(小野寺昭)と出会った。
戻ってから堀沢と交際を続けた昌子は堀沢と結婚することになった。





両親も役人である堀沢の結婚に賛成してくれて
妹の伶子(風吹ジュン)と三人で会う事になった。
伶子と堀沢はタイプが似ているせいか気が合うようだった。


三峡の章・みちのく偽装心中

結婚式には職場の上司竹村課長(信実一徳)と野地課長補佐(草薙幸二郎)も出席して祝福してくれた。



三峡の章・みちのく偽装心中

伶子は堀沢はやり手だし、仕事にも女にも自信があるが
一度転ぶともろく自分と似ているので気を付けた方がいいと昌子に忠告した。



新婚旅行のハワイへ旅立とうとしたときに、ある男を見つけた堀沢は何やら話に行った。
その時、昌子は吉木の姿を見かけて戻ってきた堀沢にこのことを伝えたが
堀沢は彼とは絶好したので式にも招待しなかったと言った。


一か月後、マンションでの新婚生活が始まったが恋人時代とは違い
堀沢は帰りも遅く休日も付き合いやらで家にはほとんどいない。
昌子は寂しさから、自然と実家に足が向かうようになっていった。


だが、実家では母(三条美紀)が、伶子がこのところ帰りが遅いことを心配していた。
ナイトクラブらしい「リド」という店のマッチを持っていて
若い娘が高い店を遊び歩いていることを昌子に相談していた。


昌子が持って帰ってきた”リド”のマッチに堀沢が気づくと
母が伶子の夜遊びを心配していると話すのだが
堀沢は下手な店より安心だといい疲れているのか
深刻に受け止めてはくれなかった。




ある日、買い物帰りの昌子はマンション前で車から降りてきた伶子と会った。
伶子には男女の二人の連れがいる。

三峡の章・みちのく偽装心中

家業を手伝っている伶子だがそれでだけでは物足りないらしく
最近バイトをしていてそこで世話になっている家庭向けのミニ新聞の
ジャーナリスト小野喜久子(金沢碧)と病院理事長の大友了介(戸浦六宏)を紹介し
昌子は新居に三人を招いた。



夜、昌子が一人でいると無言電話がかかってきた。
その後、外で車の音を聞きつけ部屋を出て下へいってみると
新婚旅行へ行くとき堀沢が話に行った男が車にはねられて死んでいた。
辺りに野次馬の人だかりができると、帰宅しようとしていた堀沢も騒ぎに気づき
昌子の姿を見つけてやって来た。
昌子はあの時のひとというが、堀沢は昌子をエレベーターへ引っ張っていくと
かかわり合いたくないので黙っていろと言った。
翌日のニュースで、死亡した男が飯田一雄であることがわかった。


窓から事故現場を眺めると、そこには吉木がいた。
昌子は慌てて下へ降りていき吉木のところへ行った。
ジャーナリストの吉木は昌子のところへ来たわけではなかった。


昌子は結婚式の日吉木を見かけたというと
招待はされてないが昌子の姿を見たかったと言った。
お役人の堀沢からは自分は煙たい存在で絶交を言い渡されたことを話してくれた。
吉木は赤坂のクラブで伶子を見かけたと言い、昌子の妹かと尋ねてきた。


心配になった昌子は実家へ行ったが伶子は帰ってこなかった。
昌子が実家を出て帰ろうとすると、車のクラクションが鳴り
雨の中帰宅する伶子と会った。



三峡の章・みちのく偽装心中

昌子は伶子が堀沢が持っていたマッチと同じ”リド”のマッチを持っているのを
知っていたことをいうと、伶子はばれたかといい堀沢と店へ行ったことを認めた。
伶子は堀沢とは気が合うけどただの遊び友達で
堀沢のような男には昌子のようなしっかりものがいいんだと言った。


その後、マンションへ帰った昌子は驚いた。
何者かが部屋に侵入して荒らされていたのだ。
慌てて部屋を出た昌子がエレベーターへ向かうと堀沢とばったり会った。


昌子は事情を説明して、ふたりは部屋の中から盗まれたものがないかを確認した。
とりあえず預金などには手を付けられてなく昌子が安心していると
堀沢は「ない・・・。」といい顔色が変わったが昌子にはそれを言わなかった。



三峡の章・みちのく偽装心中

昌子に最近だれかここに来たものがいるかと尋ねると
昨日の午後伶子が大友と喜久子を連れてきたことを話す。
堀沢はなんで留守にしたんだと昌子を責め、昌子はもう実家へは帰らないようにすると
謝るしかなかった。


空き巣事件で気持ちが悪くなった昌子がカギをかえていると
堀沢が突然早く帰宅し、仙台に一週間出張するといい支度を始めた。

その夜、昌子は床の中で堀沢との生活の不安を口にするが
用地買収の窓口になっていて仕事の事では昌子に言ってないこともあるというが
昌子の事を大事に思ってい自分を信じて欲しいといい昌子を安心させた。


出張に出た堀沢があと二日で帰ってくるというとき、母から伶子が
仙台へ旅行にいったまま帰ってこないという電話を受けた。
そこへチャイムがなり、ドアを開けると野地が立っていた。


堀沢は出張ではなくて、二日間有給休暇をとっていて
その後は欠勤したままなのだと心配してやって来たのだった。
野地は警察から堀沢の名刺を持った男と若い女性が
宮城県の作並温泉で死んでるという連絡を受けたという。


昌子が現地へ確かめに行くと、それは堀沢と伶子であり
二人のそばには睡眠薬が置いてあり死亡時刻も同じことから心中とみられた。


二人の棺を外で火葬していると吉木もやって来た。



三峡の章・みちのく偽装心中

昌子は堀沢がずっと一人で泊まっていたので心中と思えないというが
吉木は堀沢はずっと誰かを待っていて女の声で呼び出されて
それっきり戻ってこなかったことからも二人は心中したのだろうと言った。


昌子は堀沢と同じ宿に宿泊していて、いよいよ東京へ帰るという日に
チェックアウトをしようとして堀沢の精算書に電話代の請求があり
調べてみると”滝田”という料亭へ電話をかけていたことを知った。


昌子は母から堀沢の家から籍を抜いてくれと言われているので
早く抜いて帰っておいでといわれた。


三峡の章・みちのく偽装心中

伶子が旅に行ったときになんと言って出かけたかを聞くと
喜久子に誘われたからだと言ってたと聞き喜久子の会社を尋ねた。


喜久子は確かに日頃のお礼に京都旅行へ誘ったがすっぽかされたと言った。
堀沢と伶子はよくクラブなどで遊んでいる姿は見かけたが
料亭では遊んでなかったことがわかった。


昌子は建設省に呼び出しを受けていった。
野地から堀沢の給料と退職金が支給され受け取った。
本来なら退職金が出ないところを竹村課長の取り計らいで出ることになった。

だが、彼らの本当の目的は別にあり、堀沢に汚職容疑がかかっていて
マスコミもかぎつけているので知らぬ存ぜぬを貫いてくれというものだった。


竹村たちは、堀沢が伶子と不倫関係にあり遊ぶ金欲しさに
汚職に手を染め、どうしようもならなくなり心中を遂げたという
世間の見方と同じ考えだった。



三峡の章・みちのく偽装心中

昌子は汚職をしてたなら明らかにされるべきだし、その前に堀沢がそんなことをする筈がないとして
竹村たちの要求をきっぱりと撥ね退けた。
思わぬ抵抗に心証を悪くした竹村たちは昌子を脅すような言葉を吐き捨てると部屋を出ていった。


帰宅した昌子のもとへはそれをかぎつけたマスコミたちが群がってきた。
そこへ昌子を心配して様子を見に来た喜久子が現れてその場を助けてくれた。
喜久子は今すぐここを出た方がいいといい、車だから行きたいところへ
連れていってあげるといい昌子はマンションを後にした。


その足で、吉木が勤めている出版社に向かい、吉木に竹村らから
直接堀沢に汚職の疑いがあることを言われたというと
吉木はそれはおかしいと言った。


昌子は堀沢が宿から電話をかけた料亭滝田は伶子とは何の関係もなさそうなこと、
空き巣が入ったときも、飯田の事故があったときも堀沢は何かに脅えていたこと、
その上に汚職の疑いをかけられて伶子と謎の死を遂げたことなど変なことだらけだと言った。


そこへ編集長(高城淳一)が部屋に入り、堀沢の汚職事件の特ダネを握り潰したことについて
吉木を激しく責めたてに来た。
編集長は半年も前から吉木がこの動きを掴んで調べていたのに、
自分のところだけがこのスクープを書かなかったといい
堀沢と友人関係にあるので状にほだされたのではないかと
吉木のプライドを傷つけるような発言をした。



三峡の章・みちのく偽装心中

吉木は真実を確かめてから報道するつもりで
編集長の発言に反論する。


このやり取りにいたたまれなくなった昌子は部屋を飛び出し吉木はその後を追った。
昌子は作並で堀沢が死んだとき、まだ終わっていないといった意味が初めてわかった。


堀沢は接待などを受けていて、この動きを心配した吉木は堀沢に忠告していたが
堀沢はそれに怒って絶交を言い渡していた。
吉木は建設省内部から道路計画が漏れていて、その担当窓口が堀沢であったことを教えた。
事故死した飯田というブローカーは不動産会社の代わりに動いていて
堀沢と飯田は良く遊んでいたという。
それだけでなく堀沢は伶子ともよく遊んでいたらしいことを吉木は知っていた。

この流れから吉木は汚職について書くのをためらっていたが
堀沢がなんらかの形で汚職にかかわっていたとしか考えられないと思っていた。
おそらく飯田は建設省と業者をつなぐ存在だったので
汚職の生き証人であることから殺されたのではないかと吉木は見ていた。


堀沢が汚職をしていたことも、伶子と心中したことも信じられない昌子は
これを認めたくないが、吉木から堀沢が自殺するというのは
よほど追い詰められた事情があったからではないかといわれてしまった。



吉木と別れて帰ろうとした昌子を喜久子が車で待っていて飲みに連れだした。
精神的に参っていた昌子は店で寄ってしまい正体がなくなっていた。


三峡の章・みちのく偽装心中

この店こそ堀沢と伶子があっていた赤坂の”リド”だった。
喜久子はここでよく二人は遊んでいて派手で目立っていて危ない関係だと思っていたという。


その夜、酔った昌子はどう帰ったのかもわからなかったが
部屋ではガス栓が開けられていて気が付いたときには起き上がることもできない状態だった。


そこへ、昌子を心配した吉木がやってきて、昌子を救出した。
吉木は何度も電話をしていたのだが不在で家まで来てくれて
医者を呼び昌子の手当てをした後は寝ずに朝まで付き添っていてくれた。


吉木は堀沢が死んだと知ったときに自分の追及により追い詰めてしまったのかと思い
つらい気持ちを抱えていた。
そのうえ昌子にまで死なれてしまったら辛すぎると言った。


幸い昌子は起き上がることも出来、吉木は帰ることにしたが
堀沢宛に洋服が届いていることを伝えて部屋を出ていった。



昌子が中身を確かめると、出張前日に依頼していた堀沢の背広だった。
やはり堀沢は死ぬつもりなどなかったのだという確信を得た昌子は
真相を解明しようと行動を開始する。



昌子が赤坂の料亭「滝田」へ行ってみると仲居募集のチラシが貼りだされていた。
さっそく店へ入り、今夜から住み込みで働くことにした。
昌子は赤坂で住み込みで働くということだけを母に伝えた。


働いてみると、滝田には建設省の人間が多く出入りしていることがわかった。
同僚(石井富子)に聞いてみると女将(白石奈緒美)の旦那が建設省の男だったのだ。
ある晩、女将の旦那が店へ来ることになり、気になった昌子はそっと部屋の様子を伺いに行った。
そこで見たものは大友と竹村と野地の三人が会談している姿だった。


三峡の章・みちのく偽装心中

昌子は急いで外の公衆電話から吉木のところへ電話をかけるが不在だった。
その後母に電話すると、吉木から電話があり作並へ行ったことを知り
昌子も後を追いかけていく事にした。



吉木は半年間建設省の汚職がらみで堀沢たちの同行を調査していたが
記事を上げなかったことで編集長と衝突し契約を解除されていた。
吉木の資料も会社の経費でやったことなので置いていけといわれて
再び作並へ向かっていたのだった。


昌子が作並へ着くと、吉木の姿を見つけて合流することが出来た。
早速滝田でみたことを報告する。


三峡の章・みちのく偽装心中

吉木はもう一度事件を洗いなおしていた。
昌子が野地から直接堀沢に汚職の疑いがあり何もしゃべるなといわれた時に
吉木はそれはおかしいと言ったが、吉木は堀沢の汚職容疑が建設省内部から漏れていて不審に思っていた。
滝田で三人が会っていたことを聞き、彼らが汚職をしていて
堀沢をダミーとして告発しその罪を着せようとしたのではないかと推測したが証拠がない。


伶子が病院の理事長と紹介してくれた大友の病院は隠れ蓑で
道路用地を買い占めた不動産会社を経営している。
それがトンネル会社で土地ころがしをやっているのだという。
大友のクリニックに来ている建設大臣をやっていたことがある
大物政治家と癒着しているらしい。
用心深い大友は表には姿を現さずに、飯田にその役をやらせていた。
建設省の竹野と野地も表面には出てこなかったのでこれまでバレなかった。
滝田のオーナーは大友だった。

おそらく喜久子のパトロンは大友だ。
彼らは伶子を利用して昌子の自宅へ上がり込み下見をしたうえで
翌日に汚職の証拠となる書類を盗み出した。
そうなると、昌子を飲みに誘った喜久子があの晩昌子を自殺に見せかけて殺そうとしたのだろう。


昌子は吉木がそれを救ってくれたというが、昌子を絶望させる発言をしたと
吉木は責任を感じていた。
だが、あの時はそう見えてしまったのだ。
不倫の恋をし遊びの金欲しさに汚職に手を染めて、それがバレそうになり心中する
大友たちが濡れ衣をきせるのにピッタリな相手が堀沢だった。


吉木は自分もそれに騙されそうになったが、昌子が最初から堀沢は汚職も不倫もしてないといい
堀沢を愛していたんですねというと、昌子は愛でしょうかとつぶやいた。


三峡の章・みちのく偽装心中

こんなことで二人が死んだとしたら可哀想に思って
なんとしても真実を暴きたかった。
だが、それだけでなく自分がみじめで今はむなしく
夫は汚職も不倫もしてなかったことを自分のために証明したいという気持ちも強かった。
自分が裏切られたことを信じたくなかった。



吉木は駅や旅館へ聞き込みへ行ったが大友たち三人の姿を見たものはいなくて
彼らがやったという証拠がなかった。
それだけでなく堀沢の横で死んでいた伶子の姿さえ目撃されていない。


昌子は滝田に戻って三人の会話を録音すると言いだしたが
吉木はそれは危険だと止めた。
しかし、昌子はこの件に決着をつけたいという気持ちが強く
そうしなければ次の事も考えられないくらいであった。



夜になり突然吉木がここを立つことを報告にきた。
もしかしたら伶子は夜に車でここに運ばれたかもしれないと思いつき
その目撃者を捜しに行くというのだ。
吉木は昌子のためにも早くこの件にケリをつけたいのだといい
小型テープレコーダーを渡しくれぐれも気を付けて行動するように忠告した。


昌子の部屋でガス漏れ事件が合ったとき、本当は支えが必要なら
自分がなるつもりであることを打ち明けようと思っていたという。
だが、堀沢を死に追いやった自分がいうのは不謹慎だと感じて言えなかった。


旅先で吉木たちが昌子に初めて会った日、堀沢は道路計画の視察の帰りだった。
以前から心配していた吉木は堀沢に忠告しに行ったが、
東京へ帰ってから絶交を言い渡されていた。


それはこの件だけでなく、吉木も初めて会ったときから昌子に好意をもっていたのを
堀沢はわかっていて自分は昌子と婚約したので、吉木と昌子を会わせたくないからだった。
自分が昌子を好きだったのはそんなに前からであることを告白すると
自分を大切にしてほしいと言い残し宿を出ていった。




その後、昌子も滝田に帰ることにした。
だが扉は閉まっていて、改装のために休業すると張り紙がしてあった。
昌子の姿を見つけた野地が車から出てきて、嫌がる昌子を無理やり
車へ連れていこうとしたが、吉木が現れてなんとか追っ手から逃げることが出来た。
昌子が作並へ行く前に、母のところへ喜久子が訪ねてきて
赤坂の店へ住み込みで働きだしたことを聞きだしていたのだった。



吉木と二人だけになった昌子は、吉木が帰ってきてから
暴漢に襲われて逃げ出したことを知った。
野地たちが昌子を襲ってきたが、大友のバックは大物であることから
警察へ行っても動いてはくれないだろうし
吉木も契約を打ち切られ、元の出版社も堀沢汚職の臨時号を出したばかりで
それをくつがえすようなことには協力してくれないだろうという。
確固たる証拠を提出しない限り、この件を明らかにすることは不可能に見えた。



吉木は大友が普段は自分のクリニックにいるというと
昌子はふと自分が突然訪ねていったら大友はビックリするだろうと言った。
自分で証拠を探すしかなく、その時の会話を録音すると言いだした。


吉木はそれは危険だ、変な注射でも打たれたら・・・といい
伶子がクリニックで注射を打たれて現地に運ばれたのではないかとピンと来た。
だから伶子の姿を見た目撃者がいなかったのだ。
吉木はそれなら自分が昌子の代わりにやるというが
昌子は自分が女だから相手がスキをみせると譲らなかった。



昌子は吉木から大友のクリニックの場所を聞きだすと
受付で滝田からの使いのものだと言って大友と会えることになった。
三階にある理事長室へ行く前に吉木にそのことを電話連絡した。


理事長室へ入る前テープレコーダーのスイッチを入れて中へ入った。
大友は滝田からの使いで昌子が来たことに驚くが
昌子は今は滝田の仲居をしていると言った。


初めて知ったような素振りをみせる大友に
もう何もかも知っていると言い大友たちが
やったことを話すと大友は本性を現した。


大友は院内のものに電話をかけて
堀沢昌子という患者が来ているからすぐに来てほしいと言った。


三峡の章・みちのく偽装心中

昌子は抵抗を試みるが大友は自由にはさせない。
そこへ、喜久子が入ってきた。
彼女はもともとここで看護婦をしていたのだという。



昌子は隣の部屋に連れていかれて椅子に縛られた。
喜久子が注射の用意をした。
それを見た昌子は伶子もこうして殺したのねと言うと
伶子にはこれを2本打って10分で意識をなくした
昌子には3本打つと言った。




三峡の章・みちのく偽装心中

おしゃべりをする喜久子に大友は早くやれというが
喜久子は昌子に話を続ける。
堀沢と伶子は不倫の関係ではなかった。
伶子は堀沢が建設省の役人だったばかりに巻き添えを食ったのだ。


いよいよ注射を打たれそうになった昌子が悲鳴を上げると
扉が開いて吉木が二人の警官とともに入ってこようとした。
警官は監禁と殺人の疑いがあるといわれて来たのだった。


だが、大友はこの人は患者だと言ってごまかそうとする。
昌子はとっさにテープレコーダーを投げ足で吉木の方へ追いやった。
それを受け取った吉木がテープを再生した。


証拠があがり、大友と喜久子はその場で逮捕され
張り詰めた緊張感が解けた昌子は気を失った。


事件は無事に解決し、竹村と野地も逮捕された。


堀沢は竹村たちの汚職に気が付いていて黒幕は大友だと思っていた。
大友たちはまず飯田を事故死に見せて口をふさいだ。
そして、堀沢の部屋に行き、汚職の手掛かりとなる書類を盗み出して
警告を与えた。


大友は堀沢に会いたいと作並へ呼び出した。
伶子は大友のクリニックで睡眠薬を注射されて殺された。
犯行時刻を遅らせるため死体のまわりにドライアイスを敷き詰めた。
伶子の死体は死体運搬車で作並へ運ばれる予定だったが
途中東北自動車道で事故が発生し、大友たちの到着が大幅に遅れた。


約束の時間になっても大友が来なかったことで
電車で来ると考えていた堀沢は滝田へ
どの電車で来るのかを確かめるために電話をした。
その記録が今度の事件の発覚のきっかけとなった。


翌日、堀沢にうまいことを言って睡眠薬を飲ませて殺すと
その隣に伶子の死体を置いて心中したように見せかけた。


堀沢一人が死ぬと変死扱いになり厄介なことになるが
心中ならそれもない。


吉木は事件の全貌を昌子に話して聞かせると
自分も最初は堀沢が汚職をしていて不倫の恋を心中という形で
精算したのだと思っていた。
だが、昌子だけがこれに疑いをもち完全犯罪をあばいたと言った。


昌子は堀沢たちの死体が見つかったところで花を手向けた。


帰ろうとしたときに吉木が昌子に手を伸ばしたが届かないとわかると
吉木は初めて会った時のように川の中に足を踏み入れて
昌子のところまでやってきてくれた。


三峡の章・みちのく偽装心中

あの時と同じように、最後は昌子を抱きかかえて連れていってくれた。












前年に放送された「白い闇」とかぶる作品。
といっても、同じなのは原作と音無美紀子と音楽の菅野光亮で
脚本、監督、制作会社は違う。


前回も出張先で行方不明(殺された)脂ぎっしゅな夫津川雅彦の行方を追い、
夫のいとこで優男の速水亮と真相を解明するのだが、
今回もちょっとギトギト感のある押しの強い夫目黒祐樹が妹風吹ジュンと
偽装心中をして、夫の友人の優男小野寺昭と真相を暴くという
なんだか似たような設定だ。

サブタイトルも「十和田湖偽装心中」と「みちのく偽装心中」と非常に似ている。
そして前作同様、菅野光亮の音楽がドラマに彩を加えている。



今回は「白い闇」と違い、原作「三峡の章」は長編小説。
原作では建設省の汚職ではなく、経済計画庁竹村課長と
精神病院を経営している大友たちの麻薬密売事件で
若干設定が違うがほぼ内容は同じかんじ。


これに昌子と吉木のロマンスを盛り込み
事件を追うだけでなく、甘いムードもありそのあたりも
いいなと感じたのかもしれない。


そのあたりでいうと、昌子と二人が最初に会った日
原作では九州ですがドラマでは心中場所と同じところ
あそこで川の中を岩場を見つけながら吉木と堀沢のあとを
昌子が歩いていこうとする場面。


三峡の章・みちのく偽装心中

堀沢は手を伸ばしてなんとか昌子を引き寄せようとしますが
あと少しのところで手が届かない・・・

それを見た吉木は、水の中を歩いて昌子のところまで行き


三峡の章・みちのく偽装心中

昌子を抱き上げて連れてくる。
この思い切った行動に吉木の昌子への気持ちに気づいた
堀沢はハッとした表情を見せる。


これはロマンス的要素だけでなくて
一見、便が立ち、押しが強そうに見える堀沢だが
おとなしそうに見える吉木の方がいざというときに
強さや勇気を持ち合わせて本当の意味で芯が強いのは
吉木なんじゃないかという二人の性質の違いも垣間見られるシーンです。


だからこそ、吉木の人間としての強さを認めていた堀沢は
自分が昌子と婚約し勝者となってからも
昌子に会わせたくないと絶縁を言い渡したのでしょう。


原作では吉木は、堀沢君、奥さんと呼んで昌子と一応一線を引く接し方で
ドラマと同じところでの告白も非常に淡い感じになっています。
ドラマでは堀沢、キミという風に、もっとざっくばらんな言い方で
こちらの方が吉木という男を魅力的にみせていました。




※※※ 松本清張作品記事一覧 ※※※


■ 「ガラスの城」

■ 「声・ダイヤルは死の囁き」

■ 「顔・死の断崖」

■ 「犯罪広告」

■ 「聞かなかった場所」

■ 「種族同盟・湖上の偽装殺人」

■ 「紐・恐怖の大回転遊覧車」

■ 「帝銀事件・大量殺人!獄中三十二年の死刑囚」

■ 「地の骨・犯罪大学・入試問題を拾った女」

■ 「駆ける男」

■ 「白い闇・十和田湖偽装心中」

■ 「小さな旅館」

■ 「死んだ馬・殺人設計図」

■ 「山峡の章・みちのく偽装心中」

■ 「地方紙を買う女・昇仙峡囮心中」

■ 「書道教授・消えた死体」

■ 「風の息・事故か!謀略か!もく星号三原山墜落の謎」

■ 「事故・国道20号線殺人トリック」

■ 「駅路・謎の伊勢路殺人旅行」

■ 「危険な斜面・白骨になった女」

■ 「殺人行おくのほそ道」

■ 「寒流・銀行を手玉にとった女」

■ 「溺れ谷・蜂は一度刺して死ぬ!」

■ 「連環・偽装心中をあばく女」

■ 「熱い空気・家政婦は見た!夫婦の秘密」

■ 「断線・新妻を棄て、愛人を殺し年上の女と心中した男」

■ 「葦の浮舟・奥飛騨―東尋坊密会の旅」

■ 「証言」

■ 「高台の家・美しい未亡人の妖しいサロン」

■ 「黒い樹海・京都密会の旅殺人事件」

■ 「黒い空」

■ 「数の風景」

■ 「一年半待て」

■ 「霧の旗・獄死した兄は真犯人じゃない! 女の肉体を賭けた復讐の旅立ち」

■ 「鉢植えを買う女」

■ 「状況曲線・巨大談合組織の黒い殺人!男と女が欲望の罠にはまる…」

■ 「黒い樹海・姉の金沢不倫旅行が連続殺人を呼ぶ!」




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