FC2ブログ
2008/10/28
展覧会レポート昭和のドラマ昔の土曜ワイド劇場懐かし邦画

Post

        

横溝正史シリーズⅡ 「迷路荘の惨劇」 (1978年)

category - 昭和のテレビドラマ
2008/ 10/ 28
                 
「横溝正史シリーズⅡ」の第9作目。



■ 横溝正史シリーズⅡ 「迷路荘の惨劇」
放送日: 1978年10月14日~10月28日 (全3話)
原作: 横溝正史  『迷路荘の惨劇
脚本: 田坂啓
音楽: 真鍋理一郎
主題歌: 「あざみの如く棘あれば」 (作詞:阿久悠、作曲、唄:茶木みやこ)
監督: 松尾昭典
出演: 古谷一行、浜木綿子、仲谷昇、千石規子、小鹿番、伊豆肇、西沢利明、
秋谷陽子、桑原大輔、関戸純、明石勤、滝沢双、御道由紀子、長門勇、三橋達也ほか
ナレーター: 鈴木瑞穂
制作: 毎日放送、三船プロダクション


横溝正史シリーズⅡ 「迷路荘の惨劇」



昭和二十五年、私立探偵の金田一耕助(古谷一行)は、お世話になった元軍曹・篠崎慎吾(三橋達也)から
事件が起きたという電報を受け取り静岡県にある相原駅へ向かう。


闇屋から新興財閥と呼ばれるまでのし上がった篠崎は名琅荘という別荘を手に入れて
近々ホテルとしてオープンさせる予定だった。
名琅荘はもともと明治に古舘家の先々代にあたる種人伯爵が建てた別荘で
種人の趣味で部屋に抜け穴が作られたりとからくり屋敷になっておりいつしか「迷路荘」と呼ばれている。


篠崎はその迷路荘を種人の孫・辰人(仲谷昇)から購入しただけではなく
一年前には辰人の妻だった倭文子(浜木綿子)とも結婚し話題になっていた。



駅に着くと戦争孤児で篠崎が面倒をみている速水譲治(桑原大輔)が御者の格好をして
耕助の前に現れ停めてある馬車まで案内した。

横溝正史シリーズⅡ 「迷路荘の惨劇」



それはホテルの客の送迎用に使う予定もので、耕助は馬車に揺られて迷路荘にまで行くことになる。
その道中で耕助はマスクで顔を隠した左腕がない男の姿を見かけて不吉な予感を感じた。


迷路荘に着いた耕助は辰人とその叔父である元子爵の天坊邦武(伊豆肇)が言い争っているのを目撃。
耕助は金にモノを言わせて辰人から妻と名琅荘を手に入れた篠崎が彼を招待していることに驚くが
篠崎は何も倭文子は辰人から力ずくで奪ったわけではないと気にする様子はない。


まもなく耕助は、古舘種人の御側室だった糸(千石規子)から今回の依頼内容について詳しい説明を受ける。


横溝正史シリーズⅡ 「迷路荘の惨劇」



それは昭和五年のある事件に端を発していた。

種人の息子・古舘一人(西沢利明)は年の離れた後妻・加奈子(御道由紀子)が
糸の遠縁で加奈子とも幼なじみだった尾形静馬(滝沢双)と親しくしているのを見て
二人が不倫関係にあると疑い、一人は刀で加奈子を斬り殺すと静馬の左腕を切断。


横溝正史シリーズⅡ 「迷路荘の惨劇」



静馬は残された右腕で一人の刀を奪うと一人を刺し殺して「鬼の岩屋」と呼ばれる洞窟へ逃げ込んだまま
未だに杳として消息はわからないままだという。
その当時、一人と先妻の間に出来た息子の辰人は二十歳くらいだった。




そして先日、迷路荘に真野信也と名乗る帽子、サングラス、マスクをした左腕のない男が
篠崎の名刺を持って現れた。
名刺には篠崎の筆跡で紹介文が書かれ、その直前にも糸は篠崎か真野信也が来たら
ダリヤの間に泊めるように電話で指示されていた。


横溝正史シリーズⅡ 「迷路荘の惨劇」



当日、真野の対応をしたのは戦災孤児で女中見習いの戸田タマ子(秋谷陽子)で
言われた通りにダリヤの間に案内すると鍵を渡した。
その後、糸があいさつをしようとダリヤの間に入ると真野の姿はなく鍵が残されているだけだった。


真野が持っていた名刺は篠崎のものだがそこに紹介文を書いた覚えはなく糸に電話も掛けてないという。
だが、糸は電話の声は篠崎だったと言い、真野は篠崎の声と筆跡を真似れる人物だとわかる。
篠崎は真野がダリヤの間にある抜け道を通って逃げたのだろうと言うが
抜け道の存在を知っている人物は限られており、出口については長年迷路荘いう糸でさえわからない。



その時、倭文子が「静馬がこの家へ戻ってきて、今も洞穴のどこかに潜んでいる。
この別荘に来てからいつも誰かに見張られている気配を感じて怖い」と言った。


横溝正史シリーズⅡ 「迷路荘の惨劇」



糸の話では静馬は生きていれば四十五歳だという。
耕助は馬車から見かけた左腕のない男との符合を感じた。



二十年前に静馬が逃げ込んだという洞窟を調べようとした耕助は譲治と鉢合わせ一緒に中に入った。
譲治の話では例の左腕のない男の姿は度々このあたりの人たちに目撃されているため
もっぱら静馬は生きていると思われているらしい。
二人は抜け道の先にある「地獄の井戸」があるところで探索を断念して引き上げる。



夕食の席で辰人との間に陰険なムードが流れていた倭文子はほとんど食事をしないまま
タマ子に食器を片付けるように命じた。
篠崎は倭文子が具合が悪いのではないかと心配するが、辰人は別れた亭主が目の前じゃ
食事をする気にもなれないかと倭文子をからかう。


横溝正史シリーズⅡ 「迷路荘の惨劇」


我慢ならなくなった倭文子は辰人に
「静馬に命を狙われるのはあなただ。その理由は自分の胸によく
お聞きになってください」と意味深な言葉を残して早々に席をたった。


天坊は美味しい食事が出た上に、面白いものまで見れたと
何やら別のも思惑がある様子で辰人と倭文子の喧嘩を笑い飛ばす。




深夜になり静まり返った迷路荘に二発の銃声が鳴り響いた。
飛び起きた耕助が駆け付けてみると狙われたのは篠崎夫婦の部屋で夫婦は無事だった。


耕助は犯人の狙いは篠崎ではないかと思ったが、この日は寝室を分けていて倭文子しか寝ていない。
銃声を聞きつけて糸、辰人、譲治がやってきたが天坊とタマ子がいない。
ヒヤシンスの間にいる天坊は扉をノックしても応答がなくマスターキーで入ってみると
シャワーを流したまま入浴剤が入った湯船の中で死んでいた。



横溝正史シリーズⅡ 「迷路荘の惨劇」



日和警部(長門勇)らが到着し耕助も加わり捜査が始まった。
かつて静馬失踪事件を担当していた日和は糸と二十年ぶりの再会を果たす。


天坊の部屋の向かいにあるカーネーションの間に宿泊していた辰人は
不審な物音には気がつかなかったという。
そして、昨日東屋で天坊と言い争っていたのは、天坊が篠崎の不正の証拠を手に入れたので
金を強請ると聞かされてやめるように説得していただけだと説明する。


横溝正史シリーズⅡ 「迷路荘の惨劇」



篠崎が辰人と天坊を招待したのは二十年前の血なまぐさい事件を知りお祓いをする予定で
亡くなった古舘夫妻の親族として呼んだのだという。
また篠崎は本宅の引き出しにしまっておいたピストルがいつの間にか無くなっていたといい
そのピストルで篠崎夫婦の寝室が狙われた可能性が浮上。



ヒヤシンスの間ははダリヤの間にあった抜け穴はなくドアも施錠されており
マスターキーも糸が枕の下に置いて眠っており犯人が持ち出すことは不可能な密室殺人だった。
暖炉の上にあるお盆には石像と鍵が置かれていて、犯人は天坊が持っていた何かを
物色した気配が残されており、耕助は天坊が来ていたガウンの紐が盗まれているのに気がつく。


横溝正史シリーズⅡ 「迷路荘の惨劇」



耕助は天坊の二の腕にタオルが巻かれておりその下に腕時計があったことから
天坊はひげを剃ろうとして洗面台に立った時に犯人に頭を押さえつけられて死んだものと見た。
解剖の結果体内に入っていたのは透明な湯で、バスタブの入浴剤入りとは違うと判明。


そして、密室のトリックを解明した。



犯人は糸を通した針の先をお盆に突き立てると糸を天窓に通してドアに鍵を掛けた。
鍵を糸に通してお盆の上まで鍵がたどり着いたところで糸を引っ張って針と糸を回収する。
お盆の上に石像が置いてあったのは錘の役割をするためだった。


横溝正史シリーズⅡ 「迷路荘の惨劇」




二十年前の捜査にあたった日和の話では、当時高校生だった辰人が加奈子に横恋慕し
はねのけられたことから、加奈子と静馬の仲が怪しいと一人に吹き込んでいた噂があったという。
それならば、倭文子が言っていた静馬が生きているならば
真っ先に命を狙うのは辰人だと言っていた意味がうなづける。


そして、部屋に飾られている能面の両目の開き具合の違いを発見し
この裏に隠し部屋があり能面の目を通して部屋の中が覗き見れるのだと気がついた。


耕助たちが抜け穴に通じる扉を開けると梯子に無くなっていた天坊のガウンの紐が巻き付けられ
その下に行方がわからなくなっていたタマ子の死体を発見する。

横溝正史シリーズⅡ 「迷路荘の惨劇」


こうして耕助の要望で抜け穴がどこへ通じているか探索することになった。
そこで、倭文子の寝室をはじめ三部屋が同時に監視できる隠し部屋を発見し
篠崎が無くしたと言っていたピストルが落ちていた。
犯人はここから能面の目玉を通して銃を発射したのだ。



その時、日和が何者かの声を聞いたような気がして抜け穴の中を調べてみると
左腕のない男がこちらを見てふてぶてしく笑っている。
耕助たちは片腕男を追いかけるが逃げられてしまう。


その時、大きな仏像が鎮座しているのを見つけ妙な場所にあるのにピンと来た耕助は
スイッチを見つけ動かしてみるとそれはからくり扉であり別荘裏にある任天堂へ通じていた。


横溝正史シリーズⅡ 「迷路荘の惨劇」



天坊が入浴するときに使っていた入浴剤のバスクリニックは彼が持ち込んだもので
大事そうにしていたと譲治が証言したことから、犯人が捜していたのはそこに隠されていると
考えた耕助はその中から写真のネガを発見。


翌朝、馬車用の馬を散歩させた譲治が厩へ戻ると馬車の中に辰人の死体を発見する。


辰人は左腕を上着の袖に通しておらずサングラス、マスクなどの小道具も見つかったことから
静馬に変装していたとわかった。
近くには篠崎が愛用している先に鉛が入った護身用の仕込み杖が転がっていて
それで頭を殴られて絞殺されたものとみられ、馬車が置いてある厩の天井には滑車があった。


横溝正史シリーズⅡ 「迷路荘の惨劇」



隠し部屋から見つかったピストル、そして仕込み杖と持ち主の篠崎へ警察の容疑は向けられるが
この日の朝早くに糸がどこかへ出かけて泥を付けて帰って来たことも気にかかった。



篠崎は倭文子と二人だけになると、十三年前に倭文子が品川の古舘家へ嫁いだ頃
倭文子用のピアノを運んだ運送屋が自分であったと打ち明けた。
その時、倭文子に一目ぼれした篠崎は戦時中も忘れたことがなく結婚出来て幸せだと伝えた。


横溝正史シリーズⅡ 「迷路荘の惨劇」


この日は二十年前の事件があった日で、辰人は父の命日の日に殺されたことになる。
日和はこれは偶然ではなく糸が静馬を地下道のどこかに匿っていると睨んでいた。
それを聞いた耕助は抜け穴から通じる地下道はどこかで鬼の岩屋に通じていると考えていていた。



そこへバスクリニックから発見されたネガの現像が届き、辰人と倭文子の密会の現場が写っていた。
日和が倭文子に会いに行こうとすると糸は倭文子は尾形静馬にさらわれたという。
さっそく、日和と刑事(小鹿番)らは手分けして地下道を探索し鬼の岩屋へ通じる道を探しあてた。


耕助は加奈子と倭文子が従妹同士で、倭文子も糸や静馬と同じく古舘村の出身と調べ
日和に古舘家がどうして勢力を築いたのかを話し始めた。


横溝正史シリーズⅡ 「迷路荘の惨劇」



二百年前、古舘家の祖先は物乞い同然の行脚姿で十歳位の息子を連れて村に着いた。
その頃は近くの川が氾濫を起こし壊滅寸前で村人たちは村を棄てるか
死ぬのを待つかという危機的状況だった。


父親は氾濫を鎮めるために自ら人柱となり濁流に身を投じた。
そして、見事成功したらその暁には息子をあがめ子々孫々に至るまで
己の家系に服従をしろといい氾濫が収まったことから村の人たちは
古舘家に絶対服従することになったという。


辰人は篠崎の財産を狙い倭文子と離縁するとスパイとして彼女を篠崎のところへ送り込み
静馬の犯行に見せかけて殺害しようと計画。
古舘村出身の倭文子にとって辰人の命令は絶対だった。
耕助が馬車から見た片腕の男は辰人が変装の稽古していたためである。


横溝正史シリーズⅡ 「迷路荘の惨劇」



倭文子は辰人の指示通りに東京の屋敷から篠崎のピストルなどを持ち出したと報告していると
その密会現場を天坊に盗み撮りされてしまう。
迷路荘に着いた耕助が東屋で見たのは天坊が分け前に預かれないなら密会写真を
篠崎に渡すと脅していたところだったのだろう。



その夜、身辺を警戒していた天坊は部屋を訪れたのが倭文子で油断して部屋に入れてしまった。
倭文子が天坊を殺していた時、彼女の様子に不審なものを感じたタマ子がつけてきており
それを知った辰人がタマ子を天坊のガウンの紐で絞め殺した。


横溝正史シリーズⅡ 「迷路荘の惨劇」


辰人はタマ子殺の死体を処理するための時間が必要となり、この予定外の出来事から
二人は天坊が持っていたネガを探す時間が無くなってしまった。


その間に倭文子は天坊の死体を浴槽につけ針と糸のトリックを使い密室にした。
辰人は隠し部屋から能面の目を通して篠崎夫妻の寝室を狙撃して倭文子に容疑がかからぬようにする。
予め計画を知っていた倭文子はわざと篠崎と寝室を分けるようにして危険が及ばないようにした。


耕助も日和の案内で鬼の岩屋に通じる抜け道を案内してもらうことにした。
そこで、眠るように死んでいる倭文子の死体と静馬の墓を見つけた。
墓には糸が持ってきた供物が飾られ、この日が一人、加奈子だけでなく静馬の命日だとわかる。


横溝正史シリーズⅡ 「迷路荘の惨劇」


倭文子はいつしか本当に篠崎を愛するようになっていた。
彼女は厩に篠崎を連れてきて静馬に変装した辰人が殺す予定だったが
この時、はじめて倭文子は辰人を裏切り篠崎を連れてはこなかった。


言い争いのうち倭文子はスキを見て辰人から仕込み杖を奪い背後から一撃を喰らわせる。
しかし、辰人を殺したのは倭文子ではない。



また、ダリヤの間から消えた真野信也は譲治の変装だった。
彼は糸から言われて一人の息子である辰人に二十年前の惨劇を思い出させて
父親がやった罪の深さを思い知らせようとた。
ところが、タマ子はこのことを知らない上に近眼ですっかり譲治の変装に騙されてしまった。


横溝正史シリーズⅡ 「迷路荘の惨劇」




洞窟の中で片腕の男を演じてみせたのも譲治で、警察が篠崎に疑いをかけ始めたことに気がつき
容疑をそらすためだったことを告白する。




そして、耕助はひとりで辰人殺しの本ボシである糸のところへ出向く。


糸は天坊、タマ子と相次いで殺された時に倭文子が古舘村の出身であることから
辰人に利用されていると気がつき彼女の行動を見張っていた。
そして、厩に行った時に倭文子が辰人を殺そうとしているのを見て後は自分に任せるよう言い含めた。



横溝正史シリーズⅡ 「迷路荘の惨劇」


糸は加奈子と静馬の恨みを晴らすべく辰人の首にロープを巻き付け滑車を利用して
辰人の首を絞め上げる。
天井に吊るされた辰人の死体を見た糸は温情から辰人の体を馬車に乗せて三途の川を渡らせた。
糸は加奈子と静馬の二十年目の命日でその日に辰人が死んだのも二人の引き合わせだったのだろうという。


横溝正史シリーズⅡ 「迷路荘の惨劇」



耕助は糸は倭文子がやろうとしたことをただ受け継いだだけだと思い、
糸から立ててもらったお茶があまりに美味しくて今の話は耳に入りませんでしたと言い残すと
糸の告白を誰にも告げずに迷路荘を出ていく。


横溝正史シリーズⅡ 「迷路荘の惨劇」



日和と二人で駅まで馬車に乗った耕助に譲治は篠崎がホテルをオープンさせたら
耕助を一番目の客として招待したがっていることを伝えた。


日和はタバコを取り出し吸うと、耕助にも一本すすめた。
珍しく耕助も断らずに日和からタバコをもらい一服する。


「なぁ、金田一さん。いずれアンタとはどこかで新しい事件で取り組む折もあるじゃろう。」

「腐れ縁ってヤツですかね。ボクと日和さん。」

「腐れ縁はないじゃろう。」


横溝正史シリーズⅡ 「迷路荘の惨劇」



と、再会を誓いあいながら馬車に揺られた。








金田一耕助ファイル8 迷路荘の惨劇 (角川文庫)


横溝正史シリーズの最終作。

これ以降は何年か後に二時間ドラマとして古谷一行の金田一耕助は復活するが
原作がかなり改変されたりして面白くなかった。


はじめ原作には登場しない日和警部が違和感だったんですが
見ているうちに金田一との息の合ったやり取りが面白く好きになりました。

日和警部に長門勇ってナイスキャスティング。


金田一はこれまで関係者に煙草を勧められても断るイメージが強かったんですが
今回、ラストで馬車に乗っている時日和警部からタバコを勧められて一本貰うシーンが良かった。


横溝正史シリーズⅡ 「迷路荘の惨劇」


いやぁ、本当にいいコンビだったのでこれで終わりっていうのが寂しい。


「迷路荘の惨劇」は部屋にある隠し扉から地下へ通じる抜け穴があって迷路のような洞窟へ。
そして、部屋の壁に飾ってある能面の目から覗き見られるというのが「八つ墓村」とダブって見えた。


横溝正史シリーズⅡ 「迷路荘の惨劇」

隠し部屋から三つの部屋を同時に監視することが出来るのだが、これは猜疑心が異様に強い
古舘一人が妻を監視するために作ったもの。


こうやって監視しようというのが性格の異常性を物語っていますよね。



また洞窟の中にはいきなり仁王様が登場する。

横溝正史シリーズⅡ 「迷路荘の惨劇」

これは裏面にも同じ仁王様があって、台座のスイッチを入れることによって
からくり扉が開き別荘の裏手にある任天堂に出れるようになっている。


子供の時はこういうからくり屋敷に憧れましたね。
部屋の壁に飾ってある絵画の裏に金庫が隠されているとかね。


さて、今回の事件の始まりは新興財閥の篠崎の財産を奪うために
妻と離婚してその妻をスパイとして篠崎のところへ送り込む古舘辰人の殺人計画から。


横溝正史シリーズⅡ 「迷路荘の惨劇」

その古舘辰人を演じているのが仲谷昇。

篠崎を殺して二十年前に一人を殺して逃亡したまま生死がわからない
片腕の男尾形静馬を犯人に仕立て上げようとする。

そのために、辰人は左腕を隠して片腕の男に変装して静馬が生きて
復讐しに帰って来たように迷路荘の周辺をうろついてみせた。



そんな辰人を殺した犯人が先々代で辰人の祖父・種人の御側室だったお糸婆さん。

横溝正史シリーズⅡ 「迷路荘の惨劇」

奇怪な婆さんというよりは人を食ったような婆さんで
最後、金田一に自らの犯行を告白する場面でも悪びれる様子もなく
淡々と昔話を聞かせるような感じで語るのだ。


辰人の首にロープを掛けてそれを滑車で吊るし上げようとするのだが
その時も「二十年前に加奈子と静馬が殺された時の恨みで 死ねー、死ねー」と思いながら締め上げたのだとか。


独特な話のリズムで千石さんならではのお糸さんだわと思った。
殺人を犯しているのでこういう表現は相応しくないが、憎めない婆さんなのだ。


金田一も彼女の恨みつらみがよくわかり、結局辰人殺しの話は聞かなかったことにして
警察に差し出すことはしなかった。


先々代御側室で、その孫を殺したのだから御側室時代もどうしてそうなったのかが伺われる感じだ。





迷路荘の惨劇 [DVD]






************ 横溝正史シリーズ一覧 ************


1. 「犬神家の一族」

2. 「本陣殺人事件」

3. 「三つ首塔」

4. 「悪魔が来りて笛を吹く」

5. 「獄門島」

6. 「悪魔の手毬唄」



************ 横溝正史シリーズⅡ一覧 ************


1. 「八つ墓村」

2. 「真珠郎」

3. 「仮面舞踏会」

4. 「不死蝶」

5. 「夜歩く」

6. 「女王蜂」

7. 「黒猫亭事件」

8. 「仮面劇場」

9. 「迷路荘の惨劇」





関連記事
スポンサーサイト



                         
        

スポンサードリンク

                         

コメント

非公開コメント