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「テレビドラマ殺人事件・影の告発」(1980年) 土屋隆夫の千草検事シリーズ『影の告発』

category - 土曜ワイド劇場
2009/ 01/ 19
                 
以前書いた『悪女の仮面・扉の陰に誰かが・・・・』の
翌週に放送された「テレビドラマ殺人事件」。


音楽は倍賞千恵子の夫の小六禮次郎。
他にも土曜ワイドの音楽を沢山担当しています。
土曜ワイド劇場のイメージにない倍賞千恵子だが
最初の方はいくつかの作品に出演しています。




●「千草検事の大逆転!テレビドラマ殺人事件・
影の告発」  1980年1月19日
原作:  影の告発 / 土屋隆夫
脚本: 中村勝行
音楽: 小六禮次郎
監督: 降旗康男
制作: C.A.L
出演: 江守徹、黒沢年男、丘みつ子、
大谷麻知子、小池朝雄、藤木敬士、
新橋耐子、真山知子、高原駿雄、
内田稔、久我直子ほか


デパートのエレベーターで高校の校長城崎(内田稔)が殺害された。


千草検事(江守徹)と、野本刑事(小池朝雄)は、
現場に落ちていた名刺から宇月(黒沢年男)という
放送作家を洗い出した。

宇月は自分の書くテレビドラマで殺人を予告していた。

城崎は教育者として安定した生活を送っていたが
実は過去に殺人を犯していた。

その被害者の息子が宇月だったのだ。
宇月は城崎の完全犯罪をテレビドラマ化して
告発していたのだった。


しかし、宇月には完全なアリバイがあった。
千草は宇月の鉄壁のアリバイを崩そうと奮闘する。










原作は土屋隆夫の”千草検事シリーズ”で同名タイトル。
昭和38年の日本推理作家協会賞受賞作品である。



長編の本格推理小説となっており読み応えがあります。
14章から構成されていて、各章の冒頭には必ず
ある少女の不幸な生涯が少女の心の会話によって綴られている。


東都デパートでは地方から修学旅行でやっていくる
学生たちや、人気歌手のイベントもあり混雑していた。
満員のエレベーターの中で、光陽学園校長の城崎達也が
注射器か何かでストリキニーネを臀部に打たれ毒殺された。

エレベーターガールの竹原佐知子の証言によると
「痛いじゃないか」という声と「だめだよ、ふざけちゃ。」
という男の声が聞こえたという。
「だめだよ、ふざけちゃ。」と言った声は、
直観で被害者の連れのように感じたと話す。
そして、被害者は「あの女がいた・・・」という
謎の言葉を残して息を引き取った。


被害者の上着の内ポケットには、24,5歳の女性と
オカッパ頭の少女の写真があった。
写真には ”1949年 俊子” と書かれている。

「あの女がいた・・・」という女はこの写真と関係があるのか。


エレベーター内には何者かが残した1枚の名刺があった。
名刺のアスター化粧品の部長尾木精一のもとを野本刑事が訪れる。
尾木には当日のアリバイがあったため、もらった何者かが落としたのではないかということになった。
仕事がら沢山の名刺を渡していた尾木だが
書体を変更したこの名刺は事件前日の夕方以降から使用を始め
まだ5枚しか配っていないことが判明する。


野本たちはその5人を洗い出し、シナリオライターの宇月悠一という男をマークした。
だが、宇月には当日、信州へ旅行に行っていたという鉄壁なアリバイがあった。

東京で写真をとり、その後信州で、再び東京でと撮影した時の第三者の証明もある。
また、現地へいってなければ知りえなかった犯行当日のエピソードや
現地で落とした名刺入れを子供がその場所で取得したりと完璧なアリバイになっている。


しかし、検事の千草は宇月犯人説を強く支持し、これを崩そうと奮闘する。


被害者の城崎は、妻の文代と子供と暮らしていた。
ともに再婚同士で文代は年若い妻だった。
その城崎邸へは光陽学園を辞めた西田住男という男が出入りしていた。
文代と不倫関係にあったのだろうか?



また城崎が持っていた写真は文代と結婚する前の昭和24年のものだが
城崎は文代と再婚する際にお互いの過去を捨てようと
昭和26年以前の写真を全て焼却していた。



城崎の最初の妻は浪江といい、初婚の城崎よりも年上で
不妊を理由に離婚していた過去があった。
美しい容姿でもなく、年上の女。
だが、城崎は浪江と結婚することで社会的地位を得たのだ。
浪江の父が光陽学園の前身光陽中学の理事だった。
それを城崎が校長に就任してから、飛躍的に発展させた。



浪江は交通事故で亡くなっていた。
ノイローゼ状態で医者にもかかっていて、フラフラと道路に飛び出してきたようだ。
再婚もして幸せだったはずの浪江だが、死ぬ前に城崎の家のベランダから
城崎の仲人の男藤沢が転落死していたのだ。

当時城崎夫妻が戦争孤児を引き取っていて、その少女のいたずらが
ベランダから藤崎を突き落とすという形になってしまった。
その後、城崎は少女を施設へ返し、妻が事故死したあとは自宅も売却した。


その少女こそが、写真の俊子だった。
野本は俊子がいた施設の経営者の娘木戸佐智子に当時の話しを聞きに行く。
だが、肝心の俊子は17歳で睡眠薬を飲んで自殺をしていた。
俊子は幼い時に犯した殺人で心が病んでいた。


俊子はあるドラマを見てから自殺を決心したようだった。
そのドラマは宇月が書いたものだった。
宇月は自分が書くシナリオで過去の殺人を告発していた。



千草たちは、宇月の本名が藤沢広夫であることから、
転落死した藤沢の息子であり復讐のため城崎を殺したと動機をつかむ。
宇月は佐智子や俊子に接触したはずだ。
俊子は死んでしまったが、佐智子はまだ生きている・・・


しかし、そう思うより早く先手を打たれてしまい、第2の殺人が行われてしまった。
佐智子が自宅で絞殺されたのだ。
またしても宇月には完璧なアリバイがある。

千草たちは、2つの殺人における、宇月の鉄壁なアリバイをどう崩したのか?


各章の冒頭に登場する、少女の独白は、
宇月が新しく書いているシナリオだった。





影の告発 / 土屋隆夫


昭和30年代後半に書かれたものなので、いろんなものが古臭いので
土ワイで放送された昭和55年当時の時代に沿ってうまく脚色されたのでしょう。

原作の「影の告発」をサブタイトルにして、
メインを「テレビドラマ殺人事件」にしたことで
グッと興味がわいてきます。


時代を感じさせられるのは、最初に出てくる東都デパートの部分。

地方の中学生や高校生たちの修学旅行での観光コースになっているところ。
大型バスが次々と到着し、デパートでも専任の係員が待機している。
好奇心旺盛な彼らが興味むき出しでデパートの中を歩き回る。
エレベーターも物珍しく、わんさか乗ってきてエレベーターガールは半ばうんざりしている。
最後には東都デパートから店名入りの鉛筆を1本ずつ彼らにプレゼントする。

この生徒たちは買い物客ではなく、見学者なのだが1年後には状況してきて
将来の購買層に成長するのだ。


第1の被害者城崎がかつて殺人の道具のみに拾ってきた少女も戦争孤児だし。


そういう古さはありますが、結構面白くて一気読みしちゃいました。


余談ですが、今回土屋隆夫の「影の告発」を読んで
以前見たTBSのザ・サスペンスの「影の複合」というドラマを思い出しました。
似てたような印象があるんで、今度時間があるときに軽く見直してみるかな。



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