2018/06/01
2018/05/31
2018/05/30
2018/05/28
2018/05/25
展覧会レポート昭和のドラマ昔の土曜ワイド劇場懐かし邦画

        

「少女Aの殺人・女子高校生が父に殺意を抱くとき・・・・」 (1996年)  今邑彩 『少女Aの殺人』

category - 土曜ワイド劇場
2018/ 06/ 01
                 
ラジオ番組に寄せられた一通のハガキに秘められた、
哀しい過去と恐るべき殺意。



●「少女Aの殺人・女子高校生が父に殺意を抱くとき・・・
スキャンダルが名門校を揺らす!」  1996年6月1日
原作: 今邑彩  少女Aの殺人 (中公文庫)
脚本: 石原武龍
監督: 一倉治雄
制作: 東宝
出演: 高島政宏、森口瑤子、内藤剛志、浜崎あゆみ、笹峰愛、
有川博、佐々木勝彦、岡まゆみ、青木卓司ほか



少女Aの殺人・女子高校生が父に殺意を抱くとき・・・



名門女子高校の東京芙蓉女子学院の教師・脇坂一郎(高島政広)は、
高校時代の同級生で人気DJ新谷可南(森口瑤子)のラジオ番組を聞いていた。
そこで「性的虐待を繰り返し、いつか暴力で自分を犯そうとする養父を
殺してしまうかもしれない」という
”東京F女学院2年の少女A”からの投稿が気になった。



脇坂は2年の担当で、彼の受け持ちには”少女A”に該当する生徒が二名いた。


ひとりは青柳愛(笹峰愛)で、彼女は去年母が病死し、
現在は開業医の養父の青柳(佐々木勝彦)と二人暮らし。


もうひとりは、高杉いずみ(浜﨑あゆみ)で、両親が交通事故で死亡し、
父の親友夫妻に引き取られた。
だが、養母がガンで亡くなり、現在は養父で学院の教頭・高杉久雄(有川博)と二人暮らしである。


そんな中、新谷可南から脇坂に電話がかかり、二人は再会した。
新谷可南は本名益田可南子といい、今は売れっ子となり豪華なマンションを購入していた。
可南の要件は少女Aが東京芙蓉女子学生の二年生で
脇坂に心当たりがないかというものだった。


少女Aの殺人・女子高校生が父に殺意を抱くとき・・・



はじめこそ渋った脇坂だが、可南の説得もあって
ついに愛といずみがそれに該当すると情報を与えた。



その後、高杉が自宅で刺殺体となって発見された。
第一発見者はいずみだった。
自宅には刑事の諏訪重良(内藤剛志)らがやって来た。
知らせを受けた脇坂も急いでいずみの家へ向かった。



少女Aの殺人・女子高校生が父に殺意を抱くとき・・・


高杉の死亡推定時刻は午前二時から三時の間で、
犯人は勝手口から侵入したようだった。


いずみの話しでは夕食後に高杉から睡眠薬入りのコーヒーを飲まされたようで、
彼女が眠っている間に高杉は誰かと自宅で会っていたのではないかと推察された。
いずみは脇坂に、高杉が愛の養父・青柳を強請っていて
犯人は青柳ではないかと告げる。

少女Aの殺人・女子高校生が父に殺意を抱くとき・・・




高杉は去年自宅を購入したばかりで、妻の入院費用と出費が重なり、
サラ金から多額の金を借りていた。
だが、それらはわずかの間に完済されている。


三か月ほど前、新宿でデートクラブが摘発されそこに愛の名前があった。
愛は売春はやっていないというが、青柳が高杉に強請られていたとしたら
おそらくこのことだろう。
脇坂は可南にこのことを伝えた。


少女Aの殺人・女子高校生が父に殺意を抱くとき・・・


その晩、脇坂が自宅へ帰ると愛が待っていて、
青柳が犯行時刻に自宅にいなかったことと、
すでに人を一人殺していると脇坂に話した。


その言葉通り、青柳が警察に連れていかれた。
脇坂は自宅にやって来た愛によってそのことを知らされた。


だが、愛は前言を翻し青柳は高杉が殺されたころ自宅にいて
犯人じゃないと説明した。
青柳はよそに女を作り、そのショックで愛の母親は心臓まひを起こして
愛の目の前で死んでしまった。
彼女は青柳に仕返しをしたいだけだったのだ。


これを聞いた高杉は警察へ行き青柳にはアリバイがあることを話しに行こうとする。
その時、愛から事件の前の晩に「ゆきえはいるか?」という女の電話を
青柳が受けていたことを知った。


少女Aの殺人・女子高校生が父に殺意を抱くとき・・・



警察へこのことを報告に行った帰り道、脇坂はコンビニで可南が出ている雑誌を見つけた。
その雑誌には高杉の事件も取り上げられていて、
亡くなった妻が十数年前ラジオのDJとして人気者だった
新谷ゆきえ(岡まゆみ)だとわかった。
脇坂は愛から聞いた「ゆきえさんはいますか?」という謎の電話の事がひっかかった。



翌日、いずみにゆきえの事を尋ねた脇坂は
去年の二月頃にゆきえがデパートで彼女のファンだった女性と偶然再会し、
現在は小説を書いていて今度DJをやることになったので
新谷の名前を使わせてほしいとお願いされ喜んでいたことを知った。


少女Aの殺人・女子高校生が父に殺意を抱くとき・・・



ゆきえはいずみにその女性が元気になって良かったと言っていて、
いずみはその女性が新谷可南に間違いないと脇坂に宣言する。
ゆきえは毎年日記をつけていたが、その年の日記だけが高杉の死後無くなり、
事件の前の晩に「ゆきえさんはいますか?」という電話があったことを脇坂に話した。
いずみはその声が新谷可南に間違いないという。


少女Aの殺人・女子高校生が父に殺意を抱くとき・・・



気になった脇坂はラジオ局で出番を終えた可南を捕まえる。
可南はゆきえに新谷の名前を使わせてほしいと行ったことを認めたものの、
いずみと愛の家に電話を掛けたことはないと言い張る。
高杉が殺された日については、仕事を終えFAXを送っていたと
アリバイがあると言った。

少女Aの殺人・女子高校生が父に殺意を抱くとき・・・



高校時代のあこがれの人可南に容疑の目を向けた脇坂は、
諏訪刑事にこれまでのことを全て話すと、
長野県佐久市にある可南の実家へ向かった。



可南の母(立石涼子)は、可南を連れて再婚したが、
夫の益田義三(青木卓司)は、女と蒸発をしたまま行方不明となっていた。
可南の母はひとりでその家に住んでいたが


そばに住む大家の話しでは、可南は母の死後も家賃を払い続けているという。
このことを不可解に感じた脇坂は、少女Aの正体とあの家の秘密に気が付いた。


少女Aの殺人・女子高校生が父に殺意を抱くとき・・・



その頃、可南はかねてより交際していた御曹司・辻井から正式にプロポーズを受けていた。
不幸な身の上だった可南は、ついに幸せを手に入れたことを母の仏壇に報告した。
だが、それもつかの間、佐久の実家の大家から借り手が見つかったので、
部屋をすぐに明け渡してほしいという電話を受けた。



可南は学生時代に、母の夜勤を狙って父が性的嫌がらせをしてくることに悩んでいた。
今はまだ逃れているが、いつか暴力で犯される恐怖を、
当時DJをしていた新谷ゆきえに手紙で告白していたのだった。




ゆきえはその深刻さから、番組で紹介しなかったものの、
可南を心配するあまり、仕事で長野に来た時に可南に会いにやって来たことがあった。
可南はゆきえに父は女と蒸発してもう性的虐待を受けていないと言い、
ゆきえは可南が送った手紙を帰して二人は別れた。


少女Aの殺人・女子高校生が父に殺意を抱くとき・・・


だが、その前に可南は義三を殺害していた。
夜勤から帰った母は、義三の死体を床下に埋めて、女と蒸発したことにした。
だから、可南が東京へ行ったあとも母は実家に住み続けて秘密を守り通したのだ。


可南が自分の番組で読み上げた少女Aのハガキは、
かつて自分が新谷ゆきえに送ったものだった。
可南が養父に性的な嫌がらせを受けていることを知っているのは
母以外にはゆきえしかいない。


可南はゆきえの居所を探るために脇坂から手に入れた、
いずみと愛の自宅にゆきえがいないかという電話をしたのだった。



辻井との結婚前に、養父を殺害した証拠を消さなければならない。
可南は深夜車を飛ばして実家へ向かうと、床下から骨を持ち去ろうとした。
その時、大家に家を借りたいと申し出た脇坂と諏訪らがやって来た。


可南は全ての犯行を認めた。

少女Aの殺人・女子高校生が父に殺意を抱くとき・・・


ゆきえの死後、高杉は妻の日記から可南の秘密を知り彼女を強請っていた。
事件の晩、可南は高杉に言われた通り五百万円を持参しこれで最後にしてくれと頼む。
だが、高杉はこれが最後ではないことを匂わせる。
可南はもう高杉を殺すしか方法はないと思い勝手口のカギを開けていったん帰ると、
深夜、引き返し勝手口から侵入し高杉を刺殺した。



事件は解決し、少女Aがいずみでなかったこともわかった。
いずみはしばらく親戚の家に身を寄せると言い、
これまで通り東京芙蓉女子学院に通い続けると脇坂に告げる。

少女Aの殺人・女子高校生が父に殺意を抱くとき・・・

脇坂は優等生のいずみが、事件以前のように、
クラスメートと馴染めるように全力でサポートすることを誓った。











小説かにして人気DJというキャリアウーマン役を演じた森口瑤子。
今回は高杉を乗せて埠頭に乗りつけるシーンなど、
度々車を運転するシーンがあった。


ところが、森口本人は実はペーパードライバーであり、
ものすごい方向音痴である。
猛スピードを出して埠頭の淵で急停車するという、
スリリングなロケが敢行されたとか。


最初の車のシーンでも、同級生の脇坂に車中から片手運転で
電話をかけるシーンを見て、私はてっきり運転が上手い人なのだと
感心しながら見ていたのだがこんな裏話があったとは。



また”少女A”と疑われる高杉いずみを演じたのは、
後にあゆ旋風を巻き起こす浜﨑あゆみ。
黒髪おさげでほぼノーメイクだが、とてもかわいらしく
やはりその存在感は際立ったものを感じる。


クラス委員をつとめ、血のつながらない父のために家事もこなすという優等生とあって、
控え目な演技と清潔感がある容姿が初々しくて良かった。




                         
                                  
        

イギリス風景画の巨匠「ターナー展」@損保ジャパン日本興亜美術館

category - 美術・展覧会レポート
2018/ 05/ 31
                 
昨日は新宿にある損保ジャパン日本興亜美術館で
「イギリス風景画の巨匠 ターナー 風景の詩」という
展覧会を見てきました。



ターナー展 損保ジャパン日本興亜美術館



会期は4月24日~7月1日までで、本来は4月に行く予定でしたが、
結局1か月ほど遅れてようやく行くことが出来ました。




ターナー展 損保ジャパン日本興亜美術館

入り口には『コールトン・ヒルから見たエディンバラ』(1819年頃)の
でっかいスクリーンが掛けられていました。


ターナーといえば”風景画”ですが、
今回は色彩に特徴がある挿絵も色使いが素敵で印象に残りました。

これまでの自分の中にあったターナーの風景画だけでなく、
イメージになかった絵をたくさん見れたのが良かったです。


5月26日(土)には、何年か前に渋谷Bunkamuraにあるル・シネマで見た
映画「ターナー、光に愛を求めて」もこのビルの大会議室で上映されたようです。
上映後は学会員の方などによるトークショーもあり面白い試みだなと思いました。


今回は”100%ターナー”ということで
油彩、水彩、版画約120点が展示されていたとのこと。


ここは小さな美術館というイメージだったのでサクッと見れるかと思ったんですが、
意外にボリュームがありました。





ターナー展 損保ジャパン日本興亜美術館

展示されていた展覧会のポスター。
この中で気になるのは「人体」ですが
スケジュール的に行くのは厳しそう。




損保ジャパン日本興亜美術館


この日も天気が良くて気持ちが良かった。
新宿西口あたりを撮影して見た。



昨日は11時半頃から12時半頃まで展覧会を見てました。
終わって帰る時はこのビルで働く方たちが
お昼ご飯を食べに出かけるところに遭遇。


改めて平日なんだなぁとしみじみ感じてしまった。





                         
                                  
        

「密会の宿・女たちの殺人慰安旅行」 (1992年) 土曜ワイド劇場 松尾嘉代&森本レオ版

category - 土曜ワイド劇場
2018/ 05/ 30
                 
松尾嘉代&森本レオ版の「密会の宿シリーズ」の7作目。



●「密会の宿・女たちの殺人慰安旅行
忘れられた結婚指輪の秘密」  1992年5月30日
原作: 佐野洋  『似ているひげ』  密会の宿〈3〉似ているひげ (徳間文庫) 収録
脚本: 猪又憲吾
音楽: 羽田健太郎
監督: 松島稔
制作: 東映
出演: 松尾嘉代、森本レオ、岩崎加根子、岡本舞、
野村昭子、日下由美、久富惟晴ほか



千駄ヶ谷で和風連れ込み旅館”くわの”を経営する桑野厚子(松尾嘉代)は、
亡夫の元部下・久保隆(森本レオ)と愛人関係になり同居させていた。
現在はフリーライターをしている隆だが些細なことで厚子と喧嘩になり、
ついにくわのを飛び出してしまう。


密会の宿・女たちの殺人慰安旅行



その数日後、くわのにヒゲをはやした隆が人妻風の女を伴ってやって来た。
応対した従業員・のり子(野村昭子)はそれを見て驚く。
しかも隆は人妻の弱みにつけこんで無理やり関係を持っている様子である。
帰り際、女は部屋に結婚指輪を忘れたのにも気づかずに急いで帰って行った。
後日このことを知った厚子は隆があてつけにした行為だと思い荒れ狂う。


密会の宿・女たちの殺人慰安旅行



厚子の様子が気になってくわのに戻った隆に厚子はこの怒りをぶちまける。
だが隆には身に覚えがないことで全くの誤解だった。
隆は自分そっくりの男がいるのではないかと考えた。


以前、ボーリング大会でつけヒゲを付けた隆を見て
そっくりな男がいると言われたことを思い出し、
その男のことを聞き出し探し出すことにした。



そしてついに、自分そっくりな男がスーパー・バードに野菜を卸している
牧田静夫(森本=二役)であり、連れの女性はスーパー・バード新宿店で
パートをしている人妻・岡崎美紀(日下由美)だとわかった。


密会の宿・女たちの殺人慰安旅行



スーパー・バードは孝則が亡くなり、現在はその未亡人・
三宅友恵(岡本舞)が社長の座を継いでいた。
孝則の母・トキ(岩崎加根子)は会長職にあり
現在は千葉県の小湊に住んでいる。




隆は濡れ衣を晴らすため厚子を連れて牧田のマンションへ行った。
部屋は鍵がかかっておらず二人が中へ入ると牧田はソファで
すでに死体となっていた。




厚子たちは病身の夫を抱えた美紀が出来心で万引をしてしまい、
それをネタに牧田が美紀と関係を持っていたことを知った。
その牧田が殺害され警察の目は美紀へと向けられる。





美紀が犯人でないと信じる厚子は真相を探るために
くわのをのり子に任せるとスーパー・バードにパートタイマーとして潜り込み、
年一回行われる小港への慰安旅行にも参加をした。
厚子はそのことを隆に報告すると、彼も遅れて小湊へやってくる。


密会の宿・女たちの殺人慰安旅行


専務の川岸哲司(久富惟晴)は牧田からリベートを受け取っていた。
それを知った厚子と隆は川岸が口封じに牧田を殺したのではと疑うが、
川岸には事件当日の完ぺきなアリバイがあった。


事件後美紀はパートを辞め姿をくらましていたが、
宿泊先のホテルで厚子と隆は彼女の姿を目撃する。
そして、川岸が旅行中に何者かに刺殺されるという事件が発生。




美紀は偽名でホテルに宿泊しており、川岸が美紀を追いかけていく姿を
見たものが出て、川岸殺しの容疑も彼女にかかる。
その後、美紀を見つけた厚子たちは、彼女が牧田からだけでなく、
川岸からも脅されていたことを知った。
だが、彼女は川岸に殺意を抱いたが殺していないと告白するが
警察が厚子たちをつけていて美紀は二人の目の前で連行されてしまう。


密会の宿・女たちの殺人慰安旅行



厚子は川岸と愛人関係にあった社長秘書から
川岸が牧田が自分の切り札というべき重要な人物だと話していたことを知った。
厚子と隆は牧田の身辺を探り始める。
隆は牧田が「自分も三宅一族だ。」と周囲に漏らしていたことを掴み
スーパーバードの創業者一族の秘密を暴いた。



密会の宿・女たちの殺人慰安旅行



それは、牧田がトキの実の息子だということだった。
厚子はさっそくトキにそのことを確かめるがトキはそれを認めない。
しかし、つけヒゲをつけた隆が姿を現すと、観念して牧田が息子であることを認めた。


牧田は自分の本当の母がトキであることを知り認知を迫っていた。
トキは亡き夫・広介と築き上げたスーパー・バードを守りたかった。
牧田を認知してスーパー・バードの要職につけることはできない。
認知を断られた牧田は、今度は川岸に取り入って乗っ取りを企んだ。
それによりトキは牧田を殺害したことを告白する。



密会の宿・女たちの殺人慰安旅行


しかし、それはトキが友恵をかばってのものだった。
真犯人はトキではなく、友恵だったのだ。


孝則の余命宣告を受けた友恵は心のスキを突かれ、
川岸と関係を持ってしまった。




その後、孝則は病死し友恵は社長の座に就いた。
スーパー・バードは命に代えても守らねばいけない。
そう思った友恵はトキに脅しをかけていた牧田を殺害した。



川岸は友恵の犯行だと気が付き、友恵に社長を退任するように迫ってきた。
慰安旅行先に美紀を呼び出していた川岸は彼女に襲われ、
部屋から飛び出す美紀を追って海岸に来たもののそのまま美紀に逃げられてしまう。



友恵は美紀が用意したナイフが落ちているのを拾い上げ、
川岸がひとりになったところそれで刺殺した。


密会の宿・女たちの殺人慰安旅行



もともと社長の座は重いと拒否していた友恵は、
乞われるままに社長に就任せざるを得なくなっていた。
その重責による心のすきが今回の事件を起させた。



厚子と隆は自然の流れに寄り添うことにして、
もう少し一緒に過ごそうとくわのへ帰って行った。





************ 関連記事 ************


■ 「密会の宿殺人事件Ⅱ・消し忘れたビデオの女」


■ 「密会の宿⑥スポーツクラブで消された女」



                         
                                  
        

「挽歌」 (1957年) @シネマヴェーラ渋谷 

category - 昭和の日本映画
2018/ 05/ 28
                 
シネマヴェーラ渋谷の”キネマ洋装店”コラボ企画『美しい女優・美しい衣装』へ
行ったときの続きです。

二本立て上映で前回は「白い悪魔」 (1958年)を書きました。



今回は二本目の「挽歌」 (1957年/歌舞伎座)です。
こちらも原田康子原作で北海道が舞台となっている。



挽歌 


兵藤怜子(久我美子)は子どもの頃の病気がもとで左肘が痛み、
かたわな身の上からかどこか屈折した思いを抱えている。


怜子の母は亡くなり父(斎藤達雄)はそんな娘を不憫に思い
縁談をすすめるが彼女はそれを受け入れない。
一家の身の回りの世話はばあや(浦辺粂子)がやっている。


その怜子はある日、幼い娘を連れて犬を散歩中の設計技師・柏木(森雅之)と出会った。
犬が怜子の手を噛んで怪我を負わせたことから柏木は連絡先を怜子に渡す。
後日、柏木の家を訪れる怜子だが柏木は不在中で姪が応対した。
その時に怜子は柏木の妻・あき子(高峰三枝子)の姿を見る。




劇団みみずく座に所属する怜子は劇団の仲間で
彼女に好意をもつ久田幹夫(石浜朗)と馴染みの飲食店ダフネにいた。
その時に偶然あき子が不倫相手の古瀬達巳(渡辺文雄)と会うところを目撃してしまう。




あき子は達巳と過ちを犯したもののすぐに改心し、達巳と別れようとするが
達巳のあき子への思いは強く別れ話は進まない。
柏木も妻の不貞を知りながらも娘がいることから表だって責めてこない。



自分が体が不自由なことにコンプレックスを抱えていた怜子は、
満たされない結婚生活を送っている柏木に自分と似たようなものを感じた。


やがて、怜子は柏木と一夜をともにする。



怜子の屈折した思いは理解できないもので、
柏木が知らない間にあき子に近づくと、
幹夫の絵のモデルになってほしいと頼み
柏木の不在中に幹夫とともに家へ出入りするようになった。



柏木を愛しながらも、あき子も慕い始める怜子。
複雑な胸中に苦悩する怜子だが、
柏木はあき子と離婚しようと考えていることを告げる。


だが、怜子は喜ぶのではなく、罪の意識からか
今のままでいいのと夫婦の離婚を回避させようとする。
まだあき子は二人の関係に気づいていない。


しかし、あき子が怜子の家へやって来たとき
ばあやが柏木から怜子のところへ何度も電話をかけてきていることを漏らし、
ついに二人の関係があき子にバレてしまう。


自分の不倫関係がもとで夫婦関係が破たんしたと思っているあき子は、
怜子のことを責めないまま帰って行った。
その後を追った怜子は涙ながらにあき子のことも
好きだという気持ちに偽りがないことを訴える。



達巳の人生を狂わし、柏木と怜子を不幸に陥れたと考えたあき子は
自殺を遂げることで全てを清算した。


柏木は怜子と一緒になることを望むが、
怜子は柏木への愛情とあき子への罪悪感に悩んだ末、
柏木のもとから去る決断を下す。



「白い悪魔」とは正反対にやりきれない結末の「挽歌」。



中年期の上品で物静かな女性という印象だった久我美子が、
不倫の恋に苦悩する若い女性を演じているのが意外だった。
今回は不具者ということもあり、どこか捨て鉢な感じで、
不倫相手への感情も激情的な演出がされていた。



愛人関係にある男の妻の不倫現場を目撃したからか、
わざわざ妻に近づいていったにもかかわらず、
その妻を憎みながらも好意を抱いていくという相反する感情を持つ。


そのくせ、男との関係もすっぱり切るのではなく、
逢瀬を続けながらもその妻への歪んだ感情に苦悩する。
結局夫婦関係を壊したかったのかなんなのか・・・。



しかもさんざんかたわといいながらも
妻が自殺してから家主が不在中に忍び込んだ
柏木邸のキッチンで料理を作る時に
普通に左手が使えていたのが笑えた。



1958年の作品ということで石浜朗が若くてびっくり。
おじさんの時しか知らなかったのでその好青年っぷりな
見た目は新鮮でした。



また渡辺文雄は面影はあるもののクレジットがなければ
彼だとは気づかなかったかも。


今回は「美しい女優と美しい衣装」がテーマだが、
ヒロインの久我美子はパンツ姿でちょっと男勝りな感じ。
それだけに女としての感情を森雅之にぶつける時のギャップが感じられた。


反対に貞淑で上品な風貌の高峰三枝子のエレガントさは
貫禄が伝わってきた。



さて、今回もまたまた気になる映画チラシがいくつも見つかった。



芹明香パラダイス 新文芸座

池袋の新文芸座で5月24日~5月31日まで行われる「芹明香パラダイス」



日活や東映のエロ作品が多数上映されるようだが、
最終日の5月31日は日本初の本番作品「愛のコリーダ」と、
神代辰巳監督の「青春の蹉跌」をやる。


このうち「青春の蹉跌」は見たことがあるが、
芹明香という女優が出ていたのには全く気が付かなかった。




小津4K 巨匠が見つめた7つの家族


監督小津安二郎の作品は結構見ているので行くことはないと思うが、
今回は4Kデジタルの修復版が上映されるらしい。
それが、新宿ピカデリーと角川シネマ新宿でやるというのが意外だった。



七〇年代の憂鬱 神保町シアター

こちらはすでに劇場ホームページで知っていたのだが、
神保町シアターの「七〇年代の憂鬱-退廃と情熱の映画史」


以前なんかの記事でちょろっと書いた「青春の殺人者」だが、
水谷豊が親を殺すときの描写や、母親役の市原悦子との
近親相姦っぽい関係が気味悪く狂気を感じ怖くなったのを覚えている。


これを劇場でやるのね。
私は一度見たら沢山だったので行かないが、
今の水谷豊しか知らない世代は一度見てみるといい。


またここでは沢田研二の「太陽を盗んだ男」も上映予定。

それ以外で目を惹かれたのは、東京12チャンネルでやっていた
「江戸川乱歩シリーズ」で明智の助手・小林を演じていた
岡田裕介が主演の「赤頭巾ちゃん気をつけて」だ。


彼は江戸川乱歩シリーズでしか見たことがなかったけど、
映画の主演をやっていたこともあるんですねぇ。




古いドラマや映画を見始めるといろんな俳優さんの存在を知るので楽しいです。


実際、古い映画といっても若い世代の方も結構見に来ていますからね。
若い女性がひとりで見に来ているのはいつも感心させられます。



久しぶりに映画を二本見て、渋谷駅の方へ歩いていく途中
すぐそばにあるBunkamuraを通りかかりました。



ル・シネマ ダリダ


この日(5月19日)からはBunkamuraにあるル・シネマでは、
映画「ダリダ」の上映がスタートしていた。
こちらも見たいなと気になっている作品のひとつです。


                         
                                  
        

「白い悪魔」 (1958年) @シネマヴェーラ渋谷 

category - 昭和の日本映画
2018/ 05/ 25
                 
シネマヴェーラ渋谷で森雅之が出演している「白い悪魔」と「挽歌」という映画を見てきました。



シネマヴェーラ渋谷



”キネマ洋装店”コラボ企画『美しい女優・美しい衣装』ということで
5月19日(土)から6月15日(金)まで1950~60年代の作品が上映されています。
私が行ったのは初日の5月19日でした。



シネマヴェーラ渋谷は二本立て入れ替えなしですが、
この日は特別上映『街頭』が11時からあり
こちらは入れ替え制で1本立てとなっていました。



私は通常上映の12:45~「白い悪魔」、14:35~「挽歌」の二つだけを見た。
ふたつとも森雅之が出ていて、どちらも原田康子原作の映画化だった。




「白い悪魔」(1958年/日活)は、
森雅之演じる牟田口克介がかつて思いを寄せていた女性の
娘・白戸朝子(野添ひとみ)を養女に迎えたことから話が始まる。


牟田口とその女性は相思相愛でありながらも牟田口が煮え切らないことから
別の男性と結婚し朝子が生まれた。
ところが夫婦は娘を残して死んでしまい朝子は祖父の白戸宗太郎(清水将夫)と
牧場で暮らしていた。


牟田口が久しぶりに友人・木谷(大森義雄)と宗太郎たちのところを訪れたあとまもなく宗太郎は
朝子を育てて欲しいという遺書を残して病死してしまうというもの。


洋装店を経営している牟田口の暮らし向きはよく
朝子は質素な牧場生活から華美な装飾を施す牟田口邸で
お嬢様のような暮らしへと環境が一変した。


牧場でのびやかに育てられた朝子はすぐに牟田口になつき、
血のつながらない親子関係は良好に見えた。


朝子は牟田口家に亡き母の肖像画が飾られていることから、
かつて牟田口が母に思いを寄せていたことがわかる。



一緒に暮らしているうちに二人の間には父と娘ではなく
異性としてへの思いが芽生え始める。
中でも若い朝子の牟田口への態度はあからさまで、
牟田口だけでなく周囲のものも父としてではなく、
男として牟田口を慕っているというのがわかるものだった。


独身の牟田口だが父と娘の関係が脅かされる悩みを木谷に相談する。
木谷は牟田口に親子の関係を続けたいならば
牟田口が結婚するしかないという。
そして、牟田口の洋装店に勤める小沢邦子(渡辺美佐子)との仲を取り持った。


クリスマスの日、朝子は二人で過ごそうと部屋の飾りつけをし
料理を作って牟田口の帰りを待っていた。
だが、帰ってきた牟田口は邦子と結婚することを決めたと言い、
これから邦子と木谷が家に来るという。




いつかこういう日が訪れると思いながらも、失意の朝子は家を飛び出すと、
かねてから自分に思いを寄せていた岡本(小林旭)たちと踊り明かし、
自分も岡本と結婚することを決めてしまう。


牟田口と朝子は互いに異性として惚れ合っているのがわかりながらも、
それぞれが愛のない結婚を決断した。
本当にこれで良かったのか?悩む牟田口は初めて惚れた相手と
結婚をする決断を下す。
岡本と旅行に旅立つために船へ乗った朝子に思いを伝えにいく牟田口。



客で溢れる船に乗り込むとひとりでいた朝子をついに見つけ出しプロポーズをする。
朝子は声を出して泣きながらそれを受け入れ、牟田口は朝子を抱きかかえて帰って行く。
戻ってきた岡本はそれを見てあっけにとられる。




森雅之の養女になってからの野添ひとみがすごく魅力的だ。
大きな瞳で華奢な肉体を包むワンピースが素敵。
白黒映画なんだけど、抜群のスタイルでの着こなしっぷりが充分に伝わってくるのだ。


彼女が養父への恋愛感情を隠すこともなくぶつけてくる姿も実に健気でいて大胆。
洋装の勉強のために朝子がひとりで東京へ勉強しにいくことになり
一時同居生活が解消されるのだが、仕事で東京を訪れた牟田口と会うシーンがある。



二人は遊び歩いた後にホテルの同じ部屋に泊まるのだが、歌を歌いながら
天真爛漫そうに洋服を脱いでバスを使う。
その姿をうっかり鏡越しに見てしまった牟田口はもだえ苦しむ。


そして、ホテルのボーイに協力させ仕事で突然出かけなくてはならなくなったと
一芝居打ってその夜、朝子と同じ部屋で休むことから逃げた。


牟田口を養父としてでなくひとりの男として愛してしまった朝子が、
その思いを隠すどころかどんどん大胆にさらけ出していく。
それがまっすぐなだけに、なんとか成就させてやりたいと思った。
最後はハッピーエンドで良い映画でした。


共演は岡田眞澄、稲垣美穂子、草薙幸二郎、下元勉、松下達夫ら。
岡田眞澄、稲垣美穂子、草薙幸二郎はどこに出ていたかわかりませんでした。
下元勉、松下達夫はかろうじてわかった感じ。
さすがに皆さん若い。








シネマヴェーラ渋谷

館内に展示されている映画ポスター。


渡哲也、松原智恵子出演の「燃える大陸」と、
川口浩主演の「セクシー・サイン 好き好き好き」も
今回のコラボで上映予定されている作品です。




シネマヴェーラ渋谷



ひとつの記事に「挽歌」も書こうと思ったのだが長くなってきたので別エントリーで。